ナスララ師殺害、動静把握の数時間後に爆弾80トン投下…ネタニヤフ首相「大きな成果」
読売新聞 / 2024年9月30日 7時26分
【エルサレム=福島利之】レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの指導者ハッサン・ナスララ師の殺害を受け、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は28日、「大きな成果を上げた」とする声明を発表した。イスラエルはナスララ師が会合を開く数時間前に動静を把握し、計約80トンの爆弾を投下したという。
ネタニヤフ氏は声明でナスララ師の殺害について、「北部の住民の帰還につながる」と強調した。ネタニヤフ政権に批判的な左派ハアレツ紙(29日付)も「イスラエルの最も恐ろしい敵だった」と指摘し、ナスララ師殺害を「成果」と報じた。
エルサレムのホテル前では28日夜、北部のレバノン国境地帯からの避難者たちが大音量の音楽をかけて踊り、道行く人に菓子を配って祝った。ヒズボラが北部に撃ち込むミサイルから逃れるため、エルサレムに10か月避難しているという60歳代の男性は「これで家に戻れる」と話した。
イスラエルのネットメディア「Yネット」などによると、イスラエル軍は27日午後6時20分頃、レバノンの首都ベイルート南郊の地下施設でヒズボラ幹部と会合を開いていたナスララ師を殺害した。約10機の戦闘機が、地下を貫通する爆弾「バンカーバスター」を含め、1個約1トンの大型爆弾を80発以上投下したという。
イスラエルは長年、ナスララ師の行方を追ってきた。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは28日、イスラエル高官の話として、ナスララ師殺害の協議をここ数日で進め、
ただ、指導者の殺害でヒズボラの激しい反撃や紛争の拡大が想定される。イスラエル軍は28日、同国中部で1000人以上の集会を禁止する通達を出した。
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