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SNSトラブルやブラック校則、デートDVなどどう対処……手に取ってみたい10代の悩み解きほぐす本

読売新聞 / 2024年10月7日 15時30分

イラスト・大野八生

他者と一線 自分を守る

 10代の子どもたちが抱える人間関係の悩みやモヤモヤを解きほぐす本を、書店でよく見かけるようになった。世間の様々な理不尽に、立ち向かう勇気も与えてくれる。手に取ればきっと、自分をもっと大切にしたくなるはずだ。(金巻有美)

 ソーシャルワーカーの鴻巣麻里香さんによる『わたしはわたし。あなたじゃない。』(リトルモア)には、10代にとって身近な15のエピソードが登場する。苦手な友達とのつき合いや、SNSトラブル、ブラック校則やスマートフォンの使用ルール、デートDVなどだ。

 副題は、「10代の心を守る境界線『バウンダリー』の引き方」。人は他者との間に「これ以上踏み込まないで」と境界線を引くことで自分を守り、安全な人間関係を築く。一方で、「日本で生まれ育った私たちは、そもそもNOと言う力を育まれていない」という。

 「友達や親、先生、恋人との関係でつらいとき、『自分のせいだ』とか『どうしたいか分からない』という思考になる子は、バウンダリーが揺らいだり、薄くなったりしているのかもしれない。そんな子に手に取ってほしい」。各エピソードの後にある「大人のみなさんへ」と書かれた文章も合わせて目を通したい。

 個人が尊重され、誰もがNOと言えるように思える欧米でも、中高生が抱える問題は同じだと伝えるのは、マギー・ホーン著『はなしをきいて 決戦のスピーチコンテスト』(理論社)。日本の中学にあたるミドルスクールに通う女の子ヘイゼルは、地味で友達がいない。あることから学校の人気者エラと急接近し、SNSの悪質な書き込みにおびえていることを知る。

 ヘイゼルたちの訴えが、子どもでかつ女の子であるために認められなかったり、「女子は男子にかまわれて喜んでいる」という誤った認識がまかり通ったり……と日本でもありそうな理不尽な状況が描かれる。

 へこたれそうになってもあきらめずに立ち向かうヘイゼルたちの姿は、りりしく爽快だ。訳者の三辺律子さんは、「声を上げようとするといろんな障害が立ちはだかりますが、それを乗り越えないといけないのはなぜか被害者の方。それでも、声を上げれば何かが変わるんだと思ってもらえたら」と力を込める。

 マーガレット・ワイズ・ブラウン作、レナード・ワイスガード絵の『たいせつなこと』(フレーベル館)は、内田也哉子さん訳のロングセラー絵本だ。

あなたにとってたいせつなのは
あなたがあなたであること

 シンプルで力強い言葉が胸に響く。

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