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太陽光パネル 再利用の徹底で脱炭素進めよ

読売新聞 / 2024年10月1日 5時0分

 脱炭素社会の実現に向けては、太陽光発電を一層、普及させることが不可欠だが、ネックとなるのは老朽化した太陽光発電パネルの扱いだ。

 政府は、パネルのリサイクルを進めると同時に、関連技術の革新にも取り組んでもらいたい。

 経済産業省と環境省は合同で有識者会議を設け、パネルのリサイクルの義務化に向けた議論を始めた。来年の通常国会に関連法案を提出する方針だという。

 太陽光発電は、東日本大震災後、急速に拡大した。電源構成に占める割合は2011年度に0・4%だったが、22年度には9・2%へと大幅に増加した。

 政府は、30年度に14~16%まで増やす目標を掲げている。温室効果ガスの排出量を50年に実質ゼロとする国際公約の達成には、太陽光発電の普及が欠かせない。

 パネルの耐用年数は20~30年程度とされる。ここ十数年でパネルが大量に設置された結果、30年代半ば以降に、年間で最大50万トンが廃棄される可能性がある。

 環境に負荷をかけず、太陽光発電を発展させていくために、パネルのリサイクルを進める重要性は高い。だが、使用済みパネルの大半は埋め立て処分され、資源が有効に活用されていない。

 損傷した発電設備が更新されず、放置される例が全国各地で相次いでいることも問題だ。

 現状では、民間企業の自主的な対応に任せているが、廃棄したほうが費用が安いこともあり、リサイクルは進んでいない。

 この状況を改めるには、発電事業者にとっては、一定の負担増となるにしても、リサイクルを義務づける必要があろう。政府が、発電事業者への罰則を導入することなども検討し、リサイクルを促していくことが重要だ。

 パネルに識別番号をつけるなどし、リサイクルの過程を追跡する仕組みも有効ではないか。官民で、低コストのリサイクル技術を開発することも求められる。

 高性能な蓄電池の開発も急務だ。太陽光発電は、天候次第で発電量が変わるため、不足分は火力で補う必要がある。一方、好天時は、電気が余ることも多い。

 蓄電能力が高まれば、再生可能エネルギーでつくった電気を大量にためることが可能になる。

 また、日本発の技術である「ペロブスカイト太陽電池」にも期待したい。軽量で薄く曲げられるため、ビルの壁面や車の屋根などに設置できる。平地が少ない日本では脱炭素の切り札になろう。

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