終わり見えない戦闘、ヨルダン川西岸隣接地区住民「次の10・7になりかねない」…集落離れた家族も
読売新聞 / 2024年10月1日 7時16分
[ガザ戦闘1年]混迷<1>
イスラエル軍とイスラム主義勢力ハマスがパレスチナ自治区ガザで戦闘を開始してから10月7日で1年となる。終わりの見えない戦闘は中東だけでなく世界を揺るがしている。1年間の変化を各地から報告する。
イスラエル中部の商都テルアビブから北東約35キロ・メートルにあるヤドハナ集落は、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸トゥルカレムと隣接する。約1200人が暮らす集落は高さ6メートルのコンクリート壁で守られているが、ダニ・ププコさん(48)は「ここが次の『10・7』になりかねない」と心配そうに話す。
昨年10月7日、イスラエル南部のキブツ(農業共同体)などはガザからハマスの越境攻撃を受けた。1170人が殺害され、251人が人質にとられた。
ププコさんが懸念するのは、イスラエル軍はガザだけでなくトゥルカレムでも軍事作戦を断続的に実施しているためだ。集落にも流れ弾が飛んでくる。トゥルカレムではイスラエル軍の攻撃で161人が死亡した。
トゥルカレムにあるヌール・シャムス難民キャンプは廃虚と化していた。キャンプには100人程度の戦闘員が潜むとされ、崩れた建物の壁は、殺害された戦闘員やハマスのポスターであふれる。戦闘員の孫(当時23歳)が殺害されたムハンマド・アーマルさん(72)は「我々の土地を守るため若者が抵抗するのは当然だ」と語気を強めた。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は「ハマスの壊滅」を掲げてガザでの戦闘を開始した。約1年間で攻撃の大義は「イスラエルへの脅威を取り除く」に変容し、攻撃対象はヨルダン川西岸や隣国レバノンに拡大した。憎悪の連鎖に終止符が打たれる気配はない。
この記事に関連するニュース
-
イスラエル軍がアルジャジーラの支局を閉鎖、活動休止を命ず 支局長「出ていく気はない」
産経ニュース / 2024年9月26日 21時25分
-
パレスチナ・ヨルダン川西岸地区:大規模侵攻で医療へのアクセスが奪われる──イスラエルは国際人道法上の義務の順守を
PR TIMES / 2024年9月9日 18時15分
-
パレスチナ・ヨルダン川西岸地区:大規模侵攻で医療へのアクセスが奪われる──イスラエルは国際人道法上の義務の順守を
国境なき医師団 / 2024年9月9日 17時22分
-
イスラエル軍、ヨルダン川西岸ジェニンから撤退 中心部は大破
ロイター / 2024年9月6日 19時41分
-
ガザ攻撃でパレスチナ人35人死亡、ポリオ接種の戦闘休止は継続
ロイター / 2024年9月4日 4時42分
ランキング
-
1邦人の安全確保、改めて要請=男児刺殺事件受け―在中国日本大使館
時事通信 / 2024年9月30日 21時17分
-
2オーストリア総選挙で極右野党が第1党、元ナチス関係者らが結党…欧州政治の右傾化が鮮明に
読売新聞 / 2024年9月30日 19時20分
-
3イスラエル、レバノンでの限定的な地上作戦計画を米に通知=報道
ロイター / 2024年9月30日 23時55分
-
4中国に返還「リーリー」と「シンシン」最新映像公開
日テレNEWS NNN / 2024年9月30日 22時10分
-
5習氏「台湾は神聖な領土」と演説 中国建国75年、統一に決意
共同通信 / 2024年9月30日 22時43分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください