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「日本一の過密空港」新滑走路の主要な工事完了、夜のみ工事で着手10年目…来年3月に供用

読売新聞 / 2024年10月1日 14時31分

重機を使い最終盤の舗装工事が行われていた福岡空港の2本目の滑走路(9月26日午前0時51分、福岡市博多区で)=木佐貫冬星撮影

 国土交通省は9月30日、福岡空港(福岡市博多区)で整備を進めている2本目の滑走路について、舗装などの主要な土木工事が完了したと明らかにした。航空機の運航に支障が出ないよう夜間しか実施できないなど難工事だったが、事業着手から10年目で到達した。国交省は10月から同省所有の航空機で飛行検査を行い、来年3月末に供用開始予定だ。同省は2本目の滑走路は原則、国際線の離陸専用で運用する方針を決めている。(梅野健吾)

3月供用開始

 9月26日午前0時頃、国交省九州地方整備局博多港湾・空港整備事務所の案内で、2本目滑走路の工事現場を訪れると、広大な暗闇の一角が照明で照らされ、重機や作業員らが行き交っていた。

 重機が、滑走路の表面となるアスファルト合材を敷き詰め、その部分をローラー車が何度も往復して踏み固めていた。すぐ近くにはダンプカー20台ほどが車列をつくって待機しており、荷台を傾けて「ズザーッ」とアスファルト合材を供給する光景が繰り返されていた。

 福岡空港は、九州や中国地方西部の国際拠点空港としての役割を担っているが、滑走路は1本(長さ2800メートル、幅60メートル)しかなく、「日本一の過密空港」といわれる。混雑や遅延の対策として、国交省は現滑走路の西側(国際線ターミナル側)210メートルの場所に、2本目の滑走路(長さ2500メートル、幅60メートル)の整備を決め、2015年度に事業着手した。事業費は約1643億円。

 工事では、関連施設や駐機場などを後方に移設し、空いたスペースを滑走路用地として整備を進めてきた。午前7時から午後10時は航空機が運航しているため、工事は午後10時半から午前6時までの7時間半に限られた。航空機が運航している時間の地上での動線を確保するため、段階的に地盤改良や用地造成などの工事を行ってきた。

 さらに、同空港は戦後の一時期、米軍板付基地として利用されていた経緯などから、工事に伴って古いコンクリート構造物などが出てくることもあり、確認や撤去で工事が中断することもあった。

 滑走路は2本になるが、滑走路間の距離が近く航空機が同時に発着できないため、「滑走路処理能力」が2倍になるわけではなく、「1時間に38回」から「同40回」への限定的な増加にとどまる。さらに増加させるには、航空機の進入経路の変更が必要で、これが実施できれば「同45回」に増やせる。一方、1本の滑走路が航空機トラブルなどで閉鎖されても、残りの滑走路で運航を継続できるという利点はある。

 今月からは滑走路の水はけを良くするために細かい溝を掘る作業など仕上げの工事が行われる。同整備事務所の小田栄治・福岡空港整備推進室長は「供用開始に向け、気を引き締めて残る工事に取り組んでいきたい」と話している。

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