ロシア国防費、来年予算案で２５％増の２０兆円超…支出総額の３３％に

ロシア国旗＝ロイター

　ロシア政府が９月３０日に公表した２０２５年予算案で、国防費に前年比約２５％増の１３兆５０００億ルーブル（２０兆８５００億円）を計上することが明らかになった。ウクライナ侵略の長期化で、兵器の増産など軍事関連支出の膨張が止まらない現状が浮き彫りになっている。

　予算案は下院に提出された。下院通過後、上院での審議を経て、プーチン大統領の署名で成立する。上下両院ともプーチン政権の与党が支配的勢力で議会通過は確実視されている。

　ロイター通信によると、２５年予算案での国防費は、支出総額４１兆５０００億ルーブルの約３３％を占める見通しだ。国防予算の対国内総生産（ＧＤＰ）比は６・３％に上昇し、１９９１年に崩壊したソ連を継承したロシアでは、最高水準に達するという。

　国防費に治安対策などを含めた国防関連予算は計１７兆ルーブルにまで達し、支出全体の約４１％を占めるという。

　財務省は「必要な武器などを露軍に装備するほか、給与の支払いや防衛産業の支援に資源が割り当てられた」と声明で指摘した。

　ロシア政府は例年、予算編成の際、３年分の予算見通しも取りまとめる。２４年の国防費は１０兆７７００億ルーブルで、昨年の時点では、２５年の国防費は前年比約２１％減の８兆５３００億ルーブルまで引き下げる計画だったが、想定が変わったとみられる。