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イスラエル軍、レバノン南部でヒズボラに「限定的な地上作戦」開始…侵攻は2006年以来

読売新聞 / 2024年10月1日 12時56分

9月30日、イスラエル北部のレバノン国境付近で、展開するイスラエル軍の戦車=AP

 【エルサレム=西田道成、ワシントン=田島大志】イスラエル軍は1日未明(日本時間1日朝)、隣国レバノン南部の複数集落で、イスラム教シーア派組織ヒズボラに対し、「地域と標的を絞った限定的な地上作戦」を開始したと発表した。イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザに続き、隣国への侵攻に踏み切ったことで、昨年10月のガザでの戦闘開始以降、緊張が続く中東情勢は新たな局面に入った。

 イスラエル軍地上部隊のレバノン侵攻は2006年以来で、当時はヒズボラとの大規模な紛争に発展した。今回、イスラエル軍は限定的な作戦と強調しているが、ヒズボラは抗戦の構えで、犠牲が拡大する恐れがある。ヒズボラを支援するイランの対応が焦点となる。

 イスラエル軍は作戦開始は1日の発表よりも「数時間前」と指摘し、ヒズボラが「イスラエル北部の住民社会に差し迫った脅威を与えている」と強調した。空軍と砲兵部隊も参加していることも明らかにした。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相らは、避難している北部住民の帰還を目標としていると訴えていた。

 イスラエルのネットメディア「Yネット」などによると、9月30日、安全保障担当の閣僚らがヒズボラとの戦闘に関し「次の段階」への移行を承認していた。

 ヒズボラはガザでイスラエル軍と戦闘を続けるイスラム主義組織ハマスを支援し、イスラエル北部を断続的に攻撃してきた。

 これに対し、イスラエル軍は9月23日から空爆を強化し1000人以上が犠牲になった。27日にはヒズボラの指導者ハッサン・ナスララ師が殺害された。

 シリア国営通信は10月1日、アサド政権が支配する首都ダマスカスがイスラエル軍の攻撃を受け、3人が死亡したと伝えた。

 米国のバイデン大統領は9月30日、記者団に対し、レバノン情勢に関し「私は、皆さんよりも(事態を)把握している。今、停戦すべきだ」と強調していた。

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