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認知症の祖母が作った人形がモデル「ずっと忘れない」、はせがわまりさんが描く「わたしはかわいいおにんぎょう」

読売新聞 / 2024年10月4日 4時59分

「書店員が選ぶ絵本新人賞2024」で特別賞に輝いたはせがわまりさん

 新たな絵本作家を発掘する「書店員が選ぶ絵本新人賞2024」で、東京都の大学1年生、はせがわまりさん(19)の「わたしはかわいいおにんぎょう」が特別賞に輝きました。11月に行われる授賞式を前に、はせがわさんに作品に込めた思いを聞きました!!(聞き手 読売中高生新聞編集室・塩島祐子)

――応募のきっかけは?

 幼稚園の頃から絵本を描くのが大好きでした。絵を描くのも、物語を考えるのも、とても楽しかったんです。小学生の時は父や母にプレゼントするために描いていたのですが、中学生になってからは母のすすめもあって、コンテストに応募するようになりました。

 絵本新人賞の存在は、新聞記事で知りました。高校2年の時にも応募していて、今回は2回目の挑戦でした。

――受賞作はどんなお話ですか。

 ある女性が娘のために人形を手作りする場面から始まります。娘が成長すると、人形は孫に渡され、さらにひ孫に…と、大事に受け継がれていき、最後には制作した女性のもとに戻るという物語です。

 実は、祖母が幼かった父のために手作りした人形がモデルになっています。私は父からその人形をもらって、たくさん遊び、今も大事にしています。祖母は私が小学5年の時に認知症になり、人形を作ったことを忘れてしまっていますが、「私やお父さんが、おばあちゃんが人形を作ってくれたことを覚えているよ。ずっと忘れない」という気持ちを込めて描きました。

 受賞が決まり、書店員の方々からたくさんの温かな声をいただき、とてもうれしいです。祖母にも報告したいと思います。

――応募した時は、高校3年。受験勉強との両立も大変だったのでは?

 受験生でも絵を描く時間を確保したいと思っていました。学校の授業をとにかく集中して受けるようにして、自宅では毎日少しずつ物語の構想を練ったり、絵を描く時間を取ったりと、コツコツ取り組みました。総合型選抜で3年の11月に大学合格が決まったので、その後は集中して作品を制作することができました。

――今後の夢は?

 将来は絵本作家として活躍したいです。絵本のアイデアは思いついた時に紙に書き留めておくようにしていて、描きたい作品がたくさんあります。4歳から続けているバレエをテーマにした作品もいつか描きたいです。

 私は好きなことをコツコツ続けてきて、今につながっています。中高生の皆さんも、自分の好きなことや興味のあることを続けていけば、きっと世界が広がっていくと思います!

<書店員が選ぶ絵本新人賞とは>

 活字に親しむ子どもを増やそうと、読売新聞東京本社と中央公論新社が、2023年からスタートさせた賞。商業的な絵本を出版したことがない人の未発表作を募集し、売り場に立つ書店員ならではの視点で、作品を選ぶ。

 2回目となる今年は、全国の書店員約400人の投票などの結果、大賞に「ライオンのくにのねずみ」(さかとくみ雪さん)が輝き、特別賞にははせがわさんの作品のほか、「ズグロカモメの夏」(いすやますみえさん)が選ばれた。

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