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「夢の超特急」東海道新幹線…旅行にビジネスに、思い出も運んで60年

読売新聞 / 2024年10月2日 17時30分

東海道新幹線「ひかり」(1964年、東京駅)

 東海道新幹線(東京―新大阪)が開業から60年を迎えました。読売新聞朝刊の投書欄「気流」で記者の心に刺さった投書を紹介する「ササる投書」、今回のテーマは「東海道新幹線」です。(※投稿者の年齢や職業などは掲載当時。紙面では実名で掲載)

車窓から美しい風景、ぜいたくな時間

 今年は何度か東京に行く機会がありました。いつも移動時間の早い飛行機を利用していたのですが、一度新幹線に乗ってみようと思いました。

 一番速い「のぞみ」でも福山駅から3時間半もかかるので、乗る時に「しんどい旅になるなあ」と思いました。でも、以前に住んでいた大阪の町並みを懐かしい思いで見入るなど、興味津々で窓の外を眺めていると、山々に色付く紅葉が私の目を楽しませてくれました。

 そして何よりも感激したのは、富士山が左の車窓からきれいに見えた時です。静岡の車窓ぎりぎりまで広がる茶畑の緑や、熱海の階段状に立つ家々も私にはすごく印象的でした。こうした風景を間近に見ることは飛行機では味わうことの出来ない、列車ならではのぜいたくです。

 飛行機も新幹線も同じぐらいの料金なので、ついつい、速い飛行機を利用していましたが、改めて自分の住む国の美しさを新幹線に教えてもらい、うれしくなりました。

時間に余裕のある方は電車を利用して、寝入ることなく、小さな車窓から見える景色を楽しんでほしいです。(36歳・会社員=広島県、2007年12月15日掲載)

故障トラブル、英語アナウンスなく残念

 「ひかり」で神戸へ帰る途中、架線の故障のため名古屋の手前で1時間くらい止まってしまいました。隣の席にいた外人の娘さんはアナウンスの日本語がわからず、後ろに乗っていた紳士に通訳してもらっていました。ところが、その紳士は名古屋で下車。さあ、そのあとが大変でした。

 ノロノロ運転で新大阪近くになると、3時間半のおくれです。車内放送は「特急券を払い戻します」と言っていますが、外人サンは「?」の顔で私をみつめるばかり。私は必死の思いで筆談とカタコトの英語を並べ立てながら説明しました。アナウンスは連絡各線の案内や時間を放送しているのですが、これはお手上げ。

 発車時にはきれいな英語で行き先案内などしているのに、このようなハプニングには英語が出てきません。一握りの外人のために英語説明なんかむだとでも言うのでしょうか。毎月のように上京しているのですが、トイレの水が出なかったり、ペーパーのない車両に乗り合わすこともしばしば。値上げばかりの国鉄サンと言われないようにご一考願いたいものと思います。(44歳・主婦=兵庫県、1978年12月21日掲載)

「0系」引退 思い出ありがとう

 東海道新幹線が開業した1964年から走り続けてきた初代新幹線車両「0系」。その0系が12月14日の臨時運転で引退することなどを知り、感慨深かった。

 新幹線は、同年に開催された東京オリンピックに間に合わせるように開業したという。「夢の超特急」と呼ばれ、新時代の幕開けを感じさせた。旧国鉄の「世界一の技術力」を誇らしく思ったものだ。

 特に0系は修学旅行や大学入試、就職試験、転勤、出張で大いに利用した。私には身近な存在だ。私が大学1年生の時にした初めてのアルバイトが新幹線のビュッフェでの皿洗いだったこともいい思い出だ。

 寂しい気もするが、引退を心から祝福し、多くの思い出をありがとうと言いたい。長い間、本当にお疲れさまでした。(57歳・運送業=大阪府、2008年11月19日掲載)

担当記者から

 東海道新幹線に乗らない年はありません。最近は海外からの旅行客の乗車が多いと感じています。個人的には食堂車がなくなり少しさみしいですが、サービス自体は向上していると感じています。日本の「顔」の一つとも言える新幹線がより便利で多くの人にとって快適な乗り物になることを願っています。最後に、新幹線を乗り継いで日本を巡ったという投書を紹介します(田渕)

喜寿 妻と鉄道で日本一周

 妻ともども喜寿の年。記念にこれまでにないような旅をと見つけたのは、全部鉄道の日本一周5日間だった。4月の夜に札幌を寝台車で出発し、新青森から東北新幹線。大宮で乗り換え、北陸新幹線で金沢に行って泊まった。在来線で大阪に出て山陽、九州新幹線で鹿児島泊。帰りは九州、山陽、東海道、東北新幹線で仙台に泊まり、北海道に戻った。新幹線は約18時間。昔を思えば日本のほとんどを新幹線で巡るなんて、感無量だった。

 あと残るは北海道新幹線に乗ること。2030年度末予定の札幌開通が待ち遠しい。(77歳・無職=北海道、2015年9月13日掲載)

 「ササる投書」を随時掲載します。次回もお楽しみに!

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