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中東危機が加速 ガザから広がる戦火を止めよ

読売新聞 / 2024年10月3日 5時0分

 パレスチナ自治区ガザでの戦闘開始から7日で1年となるのを前に、戦火は収まるどころか拡大の一途をたどり、危機的な様相を深めてきた。

 中東が全面戦争に陥るのをなんとしても食い止めなければならない。

 イランがイスラエルに向けて弾道ミサイルを発射し、攻撃した。発射された180発以上の大半は、イスラエル軍や、中東に展開する米軍によって迎撃された。

 ミサイル攻撃について、イランは、自国が支援する反イスラエル勢力の指導者らが相次いでイスラエルに殺害されたことへの報復だと主張した。

 7月にガザのイスラム主義組織ハマスの最高幹部がテヘランで暗殺され、イランはイスラエルへの報復を宣言していたが、実行に移していなかった。米国などが仲介するガザでの停戦交渉の行方を見極めるつもりだったのだろう。

 しかし、交渉は進展せず、9月にはハマスと共闘するレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの指導者が、イスラエルの空爆で死亡した。このため、イランはイスラエル攻撃に踏み切った。

 ガザでの戦闘が続く中、イスラエルが自衛を名目にイランやレバノンでも作戦を実行し、新たな戦端を開いたことが、情勢を悪化させているのは間違いない。

 まずは危機の根源であるガザでのイスラエルとハマスの停戦を実現させることが急務だ。とりわけイスラエルへの軍事支援を続ける米国の責任は重い。

 ガザ紛争はハマスの越境攻撃が発端とはいえ、イスラエルの反撃は自衛の範囲をはるかに超えている。1年で、女性や子供を含む4万1000人以上が死亡した。

 ガザ紛争と周辺地域への戦火の広がりは、中東のみならず世界全体に悪影響を及ぼしている。

 ハマスと連帯するイエメンの反政府武装勢力フーシは、国際的な物流ルートである紅海で、イスラエルに関係する船舶などを攻撃している。日本郵船が運航する商船も拿捕だほした。

 この上イランとイスラエルの対立が激化し、国家間の戦争に発展したら、事態は重大な局面に陥る。原油を世界各国に輸送する大動脈であるペルシャ湾の航行に影響が及び、世界経済にとっても大きな打撃となる。

 日本は原油輸入の9割を中東に依存しており、中東の安定は死活的に重要である。米国や欧州などと連携し、全ての当事者に戦闘停止を働きかけねばならない。

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