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東大「赤門」、地震や強風で倒れる恐れ…「未来永劫残せるよう」屋根の軽量化や耐震化実施へ

読売新聞 / 2024年10月3日 15時0分

2021年から閉鎖が続く、東大の赤門(東京都文京区で)=佐藤俊和撮影

 東京大学本郷キャンパス(東京都文京区)に立つ国の重要文化財「赤門」について、専門家が耐震性能を調査した結果、大きな地震や強い風で倒れる恐れがあることが判明した。東大は2021年2月から閉鎖して調査を進めていた。来年度以降に耐震補強工事を開始する方針で、早期の開門を目指す。

 赤門は江戸時代後期に建てられた、キャンパス内で最も古い建物。文化庁が18年、重要文化財の所有者らに耐震対策を進めるよう周知し、東大は専門業者に委託し目視確認などを行った。柱の根元や屋根のつなぎ目が劣化している恐れがあるとわかり、安全性確保のため通行止めとされた。

 その後、東大研究者らが詳細な調査を行った結果、柱の根元はひどく傷んではいないとみられ、接合部もある程度固定されていたため、全面的な解体修理は見送ることとなった。

 一方、地震や風で大きな力が加わった時の状況を想定したところ、キャンパスの外側に向けて倒れて通行人に被害がでる恐れがあることが判明した。

 屋根が「本瓦き」という重厚な造りで非常に重いことが一因だ。調査では、屋根1平方メートルあたり200~220キロ・グラム程度で、屋根が赤門全体の重量(推計約40トン)の8割を占めていることがわかった。重心が学外側に少し寄っている。

 東大は、門柱の下端部の補強や、瓦を固定している土の量を減らして軽量化することで、耐震化を進める方針だ。見た目を大きく損なうことがないように設計を工夫する必要があるため、再び開門する時期は未定という。

 調査を行った東大の藤田香織教授(建築学)は「門が閉まっていることは心苦しいが、未来永劫えいごう残せるように、丁寧に修理を進めていきたい」と話している。

 ◆赤門=正式名称は旧加賀屋敷御守殿門ごしゅでんもん。1827年、11代将軍徳川家斉の娘・溶姫が加賀藩主・前田斉泰に輿こし入れした際、加賀藩上屋敷の表門として建てられた。明治時代、東大の敷地となった際に取り壊されず、関東大震災や東京大空襲による焼失も免れた。

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