横田めぐみさんが５日で還暦…毎年ケーキ用意する早紀江さん「帰ってきてくれたら、黙って抱きしめてあげたい」

横田めぐみさんの６０歳の誕生日を前に報道陣の取材に応じる母・早紀江さん（３日午後、川崎市で）

　北朝鮮に拉致された横田めぐみさん（拉致当時１３歳）が５日に６０歳となるのを前に、母・早紀江さん（８８）が３日、川崎市内で記者会見を開き、「帰ってきてくれたら、黙って抱きしめてあげたい。とにかく元気でいて」と還暦を迎える娘への思いを語った。

　めぐみさんは１９７７年、中学１年の時に新潟市の中学校から帰宅途中に拉致された。早紀江さんはめぐみさんがいなくなった後も毎年、誕生日にケーキを用意してきた。今年も購入する予定だが、「本当にむなしい」と苦しい胸の内を明かした。

　毎日、自宅に飾っためぐみさんの写真に向かう早紀江さん。この日は、めぐみさんが小学校の時に山口県萩市を訪れた際、お土産として買ってきた深緑色の小さなつぼを持参した。「すてきな色だと思うよ」と言って渡してくれたといい、「私の好きなものをよく知っていて、心遣いがうれしかった」と振り返った。

　拉致被害者の親世代は高齢化が進む。早紀江さんは「まずは（日朝の）トップ同士で目を見て話をしてほしい。どんなかたちであれ、みんなを帰してほしい。あと何年生きられるかわかりません」と切々と訴えた。