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逆転負けにつながるエラー、阿部監督は「まだまだこれからだ!」とLINEにメッセージ

読売新聞 / 2024年10月4日 6時0分

開幕前日の練習で浅野(左)、長野(右)と談笑する阿部監督。ベテランから若手までを融合させた

G復権 慎時代<5>

 9月21日、マツダスタジアムでの広島戦だった。2点リードの八回二死二、三塁、右翼を守っていた19歳の浅野が一、二塁間を抜けて来たゴロを後逸。同点そして逆転負けにつながった。責任をしょい込んだ若者は下を向き、目を真っ赤にして球場を後にした。

 試合直後、阿部監督がチームのLINEにメッセージを入れた。

 「浅野! まだまだこれからだ! 先輩方に励ましてもらって、あしたからもやってやれ!」

 失策を神妙に謝罪する浅野に対し、坂本は「ミスをしない選手なんていないぞ! あしたから頑張るぞー」と激励。ベテラン、若手を問わず励ましの言葉や動画が次々と贈られた。

 2位阪神の追い上げにさらされたシーズン終盤、選手たちを鼓舞した指揮官。開幕からは、より良いオーダーの模索を続けてきた。4番岡本和の前を打つ上位が固まらず、得点力不足が課題となった。4月28日、出塁率の高かった丸を初めて1番に据えた。ベテランの3安打3打点の活躍で、チームは14試合ぶりに4点以上を挙げて快勝。打線につながりが生まれ始めた。

 監督は「理想と現実はやっぱり違った」と振り返る。遊撃のレギュラーに指名した門脇は打撃の状態が上がらず、代わりに新人の泉口を起用して競争心をあおった。大城卓が不振と見るや、岸田を積極起用。小林は相性を踏まえて菅野とのコンビを復活させ、3捕手の併用を貫いた。

 順応性が高いと見た新外国人ヘルナンデスを3番に据え、ファーム再調整から復調した大城卓に5番を任せた。6月下旬から固定した1~5番が機能して勝利を重ね、1位に再浮上したのは7月9日。シーズン前半を首位で折り返した。

 全試合出場の岡本和と吉川が終盤にかけて打線を引っ張り、大一番で先発起用した坂本、長野はプレーのみならず、チームの精神的な柱となった。

 二軍降格を命じた選手には、意図を伝えることを欠かさなかった。4月に降格した際、狙い球を絞ることや変化球打ちなどの課題を与えられた浅野は、好球必打や右打ちなど状況に応じた打撃に取り組んだ。けがで離脱したヘルナンデスに代わって8月に昇格。監督は「勝ちながら若い力を育てていきたい」と、ミスがあっても我慢して使い、大混戦の優勝争いで得がたい経験を積ませた。

 球団スタッフの一人は、最善策を探りながらチームを再建した阿部監督について、「選手との距離が近い」と感心した。それは、2日の優勝セレモニーで監督が発した感謝の言葉にも表れている。「みんな同じ方向を向いて、最後の最後まで諦めずにやってくれた」。兄貴分のような距離感で胸襟を開いた新指揮官の下、チームは一つになって栄冠にたどり着いた。(おわり。平山一有、福井浩介、財津翔、浜口真実、井上雄太が担当しました)

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