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将棋文化の継承 盤上の真剣勝負これからも

読売新聞 / 2024年10月5日 5時0分

 息詰まる頭脳戦は、古くから人々を魅了してきた。AI(人工知能)の時代になっても、それは変わらない。日本の伝統文化として、次世代に受け継いでいきたい。

 日本将棋連盟が創立100年を迎えた。東京の三つの棋士団体が1924年に合併し、前身の東京将棋連盟が結成された。

 将棋はインドが起源で、平安時代には日本に伝わっていたとされる。その後、長い歴史の中で我が国独自の文化として発展した。

 連盟は、プロ制度の整備やタイトル戦創設などに取り組んできた。大山康晴十五世名人、七冠を獲得した現会長の羽生善治九段、そして藤井聡太竜王と、時代ごとにスターを輩出してきた。

 今年は東京と大阪に新しい将棋会館が整備された。次の100年に向けて、将棋のさらなる普及、発展に力を尽くしてほしい。

 将棋への関心を高め、ファンの裾野を広げることが重要だ。

 最近は、藤井竜王の人気で、対局中の「勝負めし」や棋士が着る和服なども注目を集めている。インターネットを通したアマチュア同士の対局も盛んだ。

 こうした機運も生かして、将棋の魅力を広く伝えてもらいたい。東西の新会館を活用し、人気のプロ棋士が参加するイベントや、子供向けの将棋教室などを積極的に開催することが大切だ。

 将棋を指したことがある人のうち、女性の割合は2割程度にとどまっているという。これをいかに高めるかが今後の課題だろう。

 西山朋佳女流三冠がプロ棋士を目指し、編入試験に臨んでいる。五番勝負で3勝することが条件で、これまで1勝1敗だ。史上初の女性プロ棋士が誕生すれば、女性の愛好者も増えるはずだ。

 海外への普及も図りたい。インターネットを通し、外国からでも将棋の世界に触れるのが容易になった。連盟が開く将棋の国際イベントへの参加国も増えている。

 各国に棋士を派遣し、戦術を指導するなど地道な活動が欠かせない。日本のライバル国が現れ、国際大会が開けるようになれば、将棋界は一層活気づくはずだ。

 5日から最高棋戦の竜王戦七番勝負が始まる。4連覇を目指す藤井竜王に佐々木勇気八段が挑む。藤井竜王は叡王のタイトルを失ったが、七冠を維持している。

 佐々木八段は7年前、藤井竜王の30連勝を阻止した。今年のNHK杯決勝では、藤井竜王を破って優勝している。今後の将棋界を占う好勝負となるに違いない。

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