「ショッピングモールの歌姫」半﨑美子さん、故郷・札幌で「人生案内」公演へ…「ただいまという雰囲気でお届けできれば」
読売新聞 / 2024年10月5日 7時0分
「ショッピングモールの歌姫」と呼ばれるシンガー・ソングライター半﨑美子さんが、読売新聞創刊150周年を記念した企画で「人生案内」をテーマにしたコンサートツアーを行っている。全国5都市を巡る予定で、11月には故郷・札幌での公演を控える。半﨑さんは「『人生案内』を読んで感じたことを基に書き上げた新曲もある。普段と異なる趣なので、ぜひ楽しんでほしい」と語る。
2006年から全国のショッピングモールでライブ活動を続け、包み込むような歌声や歌詞が、多くの人々の心をつかんだ。演奏後のサイン会はファンと向き合う大切な時間。悩みを打ち明けたり、言葉にならずただ涙を流したりする人もいるという。
そんな交流から、曲が生まれることも多い。
〈たどり着けない場所がある それでも生きることを 信じることをあきらめないで〉
事故で息子を失った家族が栃木県内のショッピングモールで歌を聴き、送ってくれた手紙につづられた思いに触れて作った曲「明日へ向かう人」だ。「私の歌に何かを感じ、打ち明けようとペンを執ってくれたことがありがたかったです」と涙ぐむ。
半﨑さんの歌手活動は、読者から寄せられた悩みに作家や弁護士、医師らが正面から向き合い、紙面で回答する「人生案内」と重なる。「相談した人だけでなく他の読者とも分かち合えるのは、オープンなショッピングモールという場で皆さんとつながるのとよく似ています」
9月にスタートした今回のツアー「『人生案内』と私」は、紙面に掲載された相談内容や回答を紹介し、それにまつわる曲を歌うなどユニークな試みにも挑戦している。東京公演ではチケットが完売し、満員の会場からはすすり泣く声が聞こえるなど聴衆は半﨑さんの世界に引き込まれた。「これまで続けてきたことが、新しい形になった」と大きな手応えを感じている。
今後は岩手、青森、大阪を巡り、札幌で締めくくる。歌手を目指した原点は、石狩南高校時代に、学園祭のステージで「DREAMS COME TRUE」の歌を披露したことだった。故郷を離れてから20年以上がたったが、愛着は深まり、北海道で生まれたことに誇りを感じている。
「(地元での)コンサートは、ふるさとならではの実家のような会場の空気をいつも感じるんです。肩肘張らずに『ただいま』という雰囲気で歌をお届けできれば」と目を輝かせた。
札幌公演は11月28日、札幌市教育文化会館(札幌市中央区)で午後7時開演。全席指定で7000円。ぴあ、ローソンチケットなどで販売している。問い合わせは読売新聞北海道支社総務部事業担当(011・242・5630、平日正午~午後5時)。
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