米大統領選まで1か月、民主も共和も「10月の波乱」警戒…過去にヒラリー氏メール問題、トランプ氏コロナ感染など
読売新聞 / 2024年10月5日 21時13分
5日で投開票まで残り1か月となった米大統領選では、民主、共和両党の陣営とも「オクトーバー・サプライズ(10月の波乱)」を強く警戒している。過去の大統領選では終盤戦に起きた突発的な出来事が勝敗に影響してきたからだ。(ワシントン支局 淵上隆悠)
「いつものように、10月に何かが起きるのを心配している」
民主党のヒラリー・クリントン元国務長官は9月末、米公共テレビPBSの公開インタビューでこう述べ、大統領候補のハリス副大統領が選挙戦の終盤になって打撃を受ける事態が起きることに懸念を示した。
2016年大統領選でトランプ氏に敗れたヒラリー氏自身、最終盤に波乱に見舞われた。国務長官在任中に個人メールで機密情報をやりとりしていた問題で、新たなメールが見つかったとして、投票日の11日前に連邦捜査局(FBI)が捜査を再開した。9日間の追加捜査で「訴追見送り」の方針は示されたが、ヒラリー氏の勢いはそがれた。
20年大統領選では、トランプ氏の新型コロナウイルス感染が波乱だったと指摘される。まだワクチンが流通していない時期で、当時74歳で年齢的に重症化リスクが高かったトランプ氏の健康状態に関心が集まった。ウイルスの危険性を軽視する発言を重ねていただけに、支持者にも不安が広がった。
「オクトーバー・サプライズ」は元々、デパートの秋季セールの宣伝文句だった。政治用語となったのは、再選を狙った民主党のカーター氏に共和党のレーガン氏が挑戦した1980年大統領選だ。
CNNによると、選挙戦終盤に劣勢だったカーター氏は、当時、国民の一大関心事だった在イラン米大使館人質事件を解決することで逆転を狙い、レーガン陣営はこれを「オクトーバー・サプライズ」と呼んで警戒した。実際に実現はせず、カーター氏は敗れた。人質はレーガン氏が大統領に就任した翌年1月20日に解放された。レーガン陣営には、イラン側と裏取引し、人質解放を遅らせた疑惑がある。
今回の選挙戦では、トランプ氏に対する暗殺未遂事件や民主党大統領候補の交代劇など、すでに異例の事態が相次いでいる。大詰めでまた流れを変えるサプライズが起きる可能性は排除できず、両陣営の対応力もカギを握りそうだ。
この記事に関連するニュース
-
残り1カ月「歴史的接戦」=ハリス氏、資金力で優位―トランプ氏、移民問題で猛攻・米大統領選
時事通信 / 2024年10月4日 14時53分
-
終盤戦の「オクトーバー・サプライズ」=米大統領選の結果左右も
時事通信 / 2024年9月30日 14時34分
-
イランのハッカー集団、米大統領選干渉狙いバイデン氏陣営にメール
ロイター / 2024年9月19日 9時41分
-
トランプ氏暗殺未遂と民主党側の攻撃言語
Japan In-depth / 2024年9月18日 18時0分
-
米FOMC前に確認したいポイントを整理。「景気」と「政治」に揺れる米国株の行方は?(土信田雅之)
トウシル / 2024年9月13日 8時0分
ランキング
-
1国連総長入国拒否のイスラエルは「恥知らず」トルコ大統領
AFPBB News / 2024年10月5日 15時26分
-
2イスラエルはイラン核施設を攻撃すべき トランプ氏
AFPBB News / 2024年10月5日 11時33分
-
3ロシア タリバンの「テロ組織」指定を近く解除の見通し
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年10月5日 16時23分
-
4北朝鮮将校6人死亡か=ウクライナ東部、ロシア訓練視察中―報道
時事通信 / 2024年10月5日 17時1分
-
5フィリピン、中国によるベトナム漁船襲撃を非難
AFPBB News / 2024年10月5日 17時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください