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若手の転職希望者に「カジュアル面談」が人気 採用担当者は忠告「あまり油断して臨まない方がいい」

J-CASTニュース / 2024年10月5日 12時0分

若手の転職希望者に「カジュアル面談」が人気 採用担当者は忠告「あまり油断して臨まない方がいい」

「カジュアル面談」が人気というが

選考なし、合否判定なし、気軽な雰囲気――。そんなユルい枠組みで求人企業の担当者と求職者が対話し、相互理解を深めていく「カジュアル面談」が若い世代に大人気だ。

正式な応募ではないので、求職者は志望動機を問われず、担当者から直接情報収集ができる。いかにも売り手市場の採用方法だが、採用担当者は「ユルさに油断しすぎない方がいいですよ」と忠告する。

企業の悩み「敷居を下げないと応募者が集まらない」

学情が転職サイト「Re就活」などを通じて20代の就職・転職希望者に実施した調査によると、「カジュアル面談」の機会があれば「参加してみたい」「どちらかというと参加したい」と回答した人は合わせて83.4%にのぼった。

転職活動をするうえで「知りたい情報を得るために活用したいもの」(複数回答)を尋ねたところ、職歴3年未満の「第二新卒」世代では、「カジュアルな面談・座談会」と答えた人が65.7%と最も多かったという。

次いで多かったのは「会社説明会・TOPセミナー」の56.4%、「職場見学」が45.7%。実際の仕事に触れられる「インターン・ワークショップ」は19.3%と低く、カジュアル面談の人気が際立っている。

また、面接や選考過程でどのような情報が得られると企業の志望度が上がるか(複数回答)を尋ねたところ、第二新卒では「実際の残業時間・休日のとりやすさ」が60.7%、「未経験でもやっていけるか(研修や資格サポートなど)」が52.9%、「会社や部署の雰囲気」が37.9%と続いた。

正式な応募前ではあるが、カジュアル面談でも「労働時間」「休日・休暇」「未経験者の研修体制」といったあたりの質問があがることが予想される。

都内の上場新興企業で採用を担当するAさんも、カジュアル面談に携わっている。若手人材の採用競争が激化し、タッチポイントの敷居を下げないと応募者が集まらないからだ。

「カジュアル面談は、実質的に会社説明会を個別に開くような形になるので、担当者の負担はそれなりにかかりますが、応募に至る人数は増えつつあります。どういうポイントがどういう人に刺さるのかがつかめるようになってきて、学ぶところが多いといった状況です」

カジュアルを勘違い?「タメ口で話してくる若手求職者も」

Aさんの場合、まずは会社の説明をしたうえで、求職者からの質問に答えていく。それが一息ついたところで「どんな会社で働きたいのか」「どんな仕事をしたいのか」「一番気になっているのは何か」「譲れない条件は何か」などについて確認していく。

会社説明で特に力を入れているのは「ミッション、ビジョン、バリュー」の説明だ。いくらスキルが高く過去の業績がよくても「企業文化とのマッチ度」が低い人を採ってしまうと、組織が成り立たなくなる。企業側としては、この説明に時間を取れることは大きなメリットだという。

これまで求職者には十数人会って来たが、気になることがあるという。

「若い人が失礼な態度で臨んでくるんですね。『カジュアル面談』の名前が勘違いさせてしまうのでしょうか。不快に感じる人も結構います。『これは採ったらトラブルになるな』と思えば『当社とはちょっと合わさなそうですかね』といった結論に誘導しています」

企業に対する情報収集をまったく行わず、質問事項も準備してこない人も珍しくない。自分の希望も整理せず、タメ口で話しかけてくるなど基本的なビジネスマナーを守らない人もいる。

「カジュアル面談は、建前としては正式な応募前ではあるのですが、求人企業には『潜在的な候補者の発掘』というねらいがあります。実質的に『選考』に入っていることは普通の社会人であれば想像がつくはずなのですが、経験の浅い若手ですと難しいのかもしれないですね」

Aさんの会社では「若手を採りたい思いは強くても、あまり下手に出ると勘違いさせてしまう」として、会社説明部分を小出しにしながら求職者側の応募モチベーションを高め、ミスマッチが分かりやすくなる進め方を再検討しているところだという。

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