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滋賀・永源寺に躍動する「龍と銀河」…米国人画家、52年越しの「夢」かなえ天井画を奉納

読売新聞 / 2024年10月6日 15時45分

永源寺法堂に奉納された天井画とウィリアムズさん(滋賀県東近江市で)

 大津市在住の米国人画家ブライアン・ウィリアムズさん(74)が龍と宇宙を描いた天井画「虚空奏龍こくうそうりゅう」が滋賀県東近江市永源寺高野町の臨済宗永源寺派大本山・永源寺に奉納され、龍に魂を入れる点眼法要が営まれた。天井画は11月に特別公開される。(中村総一郎)

 無限に広がる宇宙(虚空)で、龍と銀河が奏で合うように躍動するさまを墨やアクリル絵の具で描いた直径4・2メートルの作品。下地に特殊な紙粘土を盛り上げるように置き、立体的に仕上げた。

 龍と宇宙は陰陽を表す勾玉まがたまに見立て、銀河から生まれてくると同時に銀河を生み出すという宇宙観を表現。玉を持つ龍の手を突き出すように描くことで多元宇宙が生まれる意味を込めた。禅宗寺院では、龍は守護神として天から人々を見守り、仏教の教えを法雨として降らせる姿を表しているとされ、現代の宇宙観と仏教の教えを融合させた作品とも言える。

 世界各地を旅していたウィリアムズさんは1972年、日本の風土に魅了されて移住。京都市を拠点に日本の風景を描いてきた。その頃、臨済宗各派の天龍寺、妙心寺などで見た龍の絵に感動し、下宿先のふすまに龍を描いたこともあったといい、「いつかは龍の絵を描きたい」と思うようになった。

 ウィリアムズさんは84年、琵琶湖の風景にひかれて京都市から大津市に転居。2019年に永源寺の紅葉を、21年には春の風景を描いた絵を本堂に納めたこともあり、同寺と縁ができた。昨夏、47年前に描いた龍の絵を永源寺の関係者に見せ、今年のえと「たつ」にちなんで、新たな龍の絵の奉納を申し出た。

 ウィリアムズさんは賛同金を募って制作費に充て、今年4月から半年間かけて大津市のアトリエで天井画を描き、永源寺法堂の天井に据えた。

 点眼法要は10月1日にあり、ウィリアムズさんが見守る中、永源寺派管長の道前慈明老師が導師となって読経を行った。

 ウィリアムズさんは「辰年を迎えるにあたって龍を描きたいという夢を思い出した」と振り返り、「京都の寺で見た龍の絵に感銘を受けてから52年。お預けになっていた夢がかなった」と喜びをかみしめている。

 特別公開は11月1日から30日まで。問い合わせは永源寺(0748・27・0016)。

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