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道行く女性に「抱かせて欲しい」とつきまとい...弁護士が指摘する迷惑YouTuberの違法性

J-CASTニュース / 2024年10月6日 11時0分

道行く女性に「抱かせて欲しい」とつきまとい...弁護士が指摘する迷惑YouTuberの違法性

(写真はイメージです)

登録者2万人超のYouTuberで、既婚者かつ1児の父である「低身長ナンパ師ゆってぃ」氏(現在はYouTubeチャンネル削除)がJR大阪駅構内で道行く女性に「今夜だけ抱かせてほしい」などと声をかけつきまとったり、東京・池袋の路上で未成年に声をかけている――。「ナンパ」中のゆってぃ氏の動画が2024年9月下旬にXで取り上げられると、「肖像権侵害で訴訟を起こせば勝てるかも」「セクハラでは?」「早く逮捕してくれ」などと批判が寄せられた。

2回シリーズの前半では、迷惑行為の実態と、それが行われた大阪駅での対応について聞いた。後半では、弁護士に、迷惑行為の違法性を詳しく解説してもらった。

駅の利用目的に反する行為=建造物侵入罪に抵触の可能性

ゆってぃ氏のように駅構内で「今夜だけ抱かせて欲しい」などと声をかけるのは違法なのか。弁護士法人「ユア・エース」の正木絢生代表弁護士は10月1日、J-CASTニュースの取材に対し、次のように指摘した。

「軽犯罪法1条28号は、他人の進路に立ちふさがって、若しくはその身辺に群がって立ち退こうとせず、又は不安若しくは迷惑を覚えさせるような仕方で他人につきまとう行為を禁止しています。『ゆってぃ』氏は、ナンパ行為に際して被害者の方々につきまとい、不安感や迷惑を与えているようですから、同法に抵触する可能性があります」

今回は駅構内での「ナンパ」だったが、「ナンパ」を行う場所は関係しているか。

「『ゆってぃ』氏は、これらの行為を駅の構内でも行っています。ナンパ行為が一般常識的に迷惑行為に当たることは疑いがないと思いますが、およそどの駅も構内での迷惑行為を許していることはありません。駅の利用目的に反する行為ですから、駅管理者(JR西日本・東日本等)に対する建造物侵入罪に該当する可能性があります。
同様の迷惑行為は、各条例によっても規制されており、これらに抵触する可能性もあります。例えば東京都の公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(いわゆる迷惑防止条例)5条の2第1項第1号はつきまとい行為等を禁止しており、その法定刑は一年以下の懲役又は百万円以下の罰金です(同8条)。大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例では10条第1項第1号イに同様の規定があり、法定刑も同様です」

ゆってぃ氏はJR大阪駅構内で「ナンパ」行為をしていたが、駅の管理者であるJR西日本は、どう対応すべきなのか。正木弁護士は「JR西日本も被害者に当たります。一般論になりますが、ナンパ行為を含む迷惑行為禁止の呼びかけや広告の貼り出し、警備員の配置、見回り等の強化などの方法があるのではないでしょうか。防犯カメラの設置やその周知も効果的だろうと思います」と指摘した。

「拡散行為が肖像権侵害に該当する可能性」

ゆってぃ氏が声かけする際に使ったセリフは「今夜だけ抱かせて欲しい」だった。性的な関係を連想させ、声をかけられた女性が恐怖を覚える可能性がある。声かけという行為だけではなく、言葉の内容も問題になるのだろうか。正木弁護士はこう答える。

「言葉の内容も問題になります。脅迫罪(刑法222条)や強要罪(同223条)へ該当する可能性が出てくるからです。ただ、参考動画を見る限りでは、これらの犯罪に該当しそうな言動はないように思います。確かに『今夜だけ抱かせて欲しい』といきなり言われたら、かなり怖いと思いますが、それだけでは、従わなければ何か危ないことをされるということまでは伝わりません。例えば、殴りかかるような仕草をしながら同じことを言われたら、『ついていかなければ殴られる』ということが伝わって脅迫や強要に該当してきます」

「ナンパではない」としながら「ナンパ」行為をすることについては、迷惑行為であるとしつつも行為そのものが一律に犯罪になる訳ではないと説明。自分で「ナンパではない」と前置きしてもしなくても、つきまとい等をしていれば法律上問題があるのだという。

ゆってぃ氏は池袋の路上で女子高校生や15歳の女性に声をかけた。未成年であると知りながら声かけをするのは犯罪行為にあたるのだろうか。正木弁護士は次のようにいう。

「相手が未成年かどうかということはあまり影響しません。勿論、ナンパ後の『行為』にまで発展するなら、相手の年齢によって各都道府県に置かれている、いわゆる青少年健全育成条例違反になりますし、あまりに低年齢であれば強制性交等罪などに該当する可能性もあります」

ゆってぃ氏「すいませんが取材に協力できません

では、声かけの様子を撮影した動画をYouTubeなどに投稿し拡散するのは問題になるか。正木弁護士によると、刑事上何かの犯罪に該当するということはない。しかし、民事上違法となり、損害賠償請求が認められる可能性はあるという。その理由については「勝手に撮影された動画なので、拡散行為が肖像権侵害に該当する可能性があるからです」と説明した。

J-CASTニュースがゆってぃ氏に取材を申し込むと10月3日、「すいませんが取材に協力できません。DMをいただいたのにすいません」と返信があった。

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