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日米同盟はかつてないほど強力、いかなる脅威にも打ち勝つ準備ができる…在日米軍リッキー・ラップ司令官の寄稿全文

読売新聞 / 2024年10月7日 5時0分

在日米軍のリッキー・ラップ司令官(在日米軍司令部提供)

 在日米軍のリッキー・ラップ司令官が8日の退任を前に読売新聞に寄稿した。全文は以下の通り。

 司令官として3年、私は日米同盟が、将来起こりうる潜在的な脅威に対抗する上で、かつてないほど有能かつ強力なものになっていると確信している。ロシア、北朝鮮、中国共産党の挑発的で威圧的な行動は、この地域の同盟国やパートナーに対するアメリカの決意とコミットメント(関与)について世間に疑念を抱かせることを目的としている。これらの国々の行動は「自由で開かれたインド太平洋」という共通のビジョンが体現する国際協力を軽視していることを示している。

 同盟創設以来、最も重要な進化を遂げる中、我々は70年以上にわたってインド太平洋地域の平和を維持してきた国際ルールに基づく秩序を解体しようとする悪意ある行為者の試みに対抗することに全力で取り組む。

 我々は共に、地域の潜在的敵対勢力からの高まる脅威に対抗すべく、迅速に行動している。日米両政府の最高幹部と軍事指導者によるハイレベルな二国間協議が、指揮統制機構を大幅に向上させ近代化するための合意につながった。在日米軍司令部を統合軍司令部として再編し、パートナーである自衛隊との協力関係を強化し、新たな日本側の統合作戦司令部と連携するための権限を付与する。これらの措置により、米軍と自衛隊は危険行為や違法行為を抑止する上で、さらに強固な体制を築くことができる。

 新たな戦力態勢は歴史的な取り組みではあるが、我々は過去3年間、二国間および多国間の重要な取り組みや訓練を通じて、日米の能力を着実に推進してきた。現在、我々は多国間において、米国の無人航空機や日本の海上保安庁の巡視船から得られる情報データを定期的に処理、分析し、共有している。また、「キーン・エッジ」や「キーン・ソード」といった演習を強化・拡大し、厳格で実戦的な訓練シナリオを通じて、安全保障を強化してきた。私たちは、宇宙ベースの能力をさらに高めるために協力し、宇宙領域における協力をさらに進めるための重要な体制を確立した。特に日米両国は、潜在的な人道支援や災害救援活動に備えて緊密に協力し続けている。

 結局のところ、こうした行動は、数十年にわたってインド太平洋地域の平和を維持してきた共通のコミットメントの基盤となるものである。日本国民の安全保障意識は日々高まっており、北朝鮮による制裁違反の兵器調達、ウクライナにおけるロシアの非合法な軍事作戦、インド太平洋地域全体で繰り返される中国空軍と海軍による領土侵犯など、卑劣で危険な行為者によってその高まりは促進されている。

 しかしながら、今、我々が絆を深め、新たな協力の機会を見出すための一歩を踏み出せば、日米同盟がいかなる脅威にも打ち勝つ準備ができることを私は知っている。我々は迫りくる課題を克服し、レジリエンス(回復力)に重点を置くために、努力を倍加させなければならない。日米同盟は揺るぎないものであるが、簡単に得られるものではない。気概と決意が必要であり、私は日米両軍の決意に感銘を受けている。

 在日米軍と自衛隊は、将来の世代のために自由で開かれたインド太平洋という明確なビジョンを持って、いつでも日本を防衛できるよう団結している。同盟は強固なものだが、迫りくる脅威や課題を克服するために、我々はより多くのことを行い、より迅速に行動するという決意を新たにしなければならない。

 ラップ氏は2021年に在日米軍司令官に就任した。後任は米空軍のスティーブン・ジョスト中将が務める。

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