ガザ戦闘１年、ネタニヤフ首相「我々は現実を全面的に変えた」…ハマス・ヒズボラへの攻撃継続

　【カイロ＝田尾茂樹、ワシントン＝向井ゆう子】パレスチナ自治区ガザでイスラエルとイスラム主義組織ハマスが戦闘を開始してから７日で１年となった。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は６日、「この１２か月で我々は現実を全面的に変えた」と述べ、ガザや、地上侵攻したレバノンでの戦果をアピールした。ハマスも徹底抗戦を強調しており、犠牲の拡大は不可避な情勢だ。

　ネタニヤフ氏は６日に訪れたイスラエル北部の軍基地で、レバノン南部での地上作戦を念頭に「あなたたちは称賛すべき英雄だ」と述べ、兵士らをたたえた。「１年前、我々はひどい打撃を受けたが、あなたたちが敵に与えている打撃には世界中が驚いている」とも語った。

　一方、ガザでイスラエルと戦闘を続けるハマスの幹部ハリル・ハヤ氏は６日にビデオメッセージを発表し、「我々パレスチナ人は抵抗と不屈の精神によって新たな歴史を刻んでいる」などとイスラエルの攻撃に屈しない姿勢を改めて示した。

　レバノン南部では６日もイスラエル軍とイスラム教シーア派組織ヒズボラとの激しい攻撃の応酬が続いた。イスラエル軍はレバノンの首都ベイルートでの空爆も続行した。ガザでも、北部ジャバリヤの難民キャンプなどを攻撃した。

　当面の焦点は１日にイスラエルを攻撃したイランに対するイスラエルの報復だ。イランはハマスやヒズボラを支援する。イスラエルのヨアブ・ガラント国防相は６日、米ＣＮＮでイランへの報復に関し「全て（の選択肢）がテーブルの上にある」と警告した。

　米国防総省のパット・ライダー報道官は６日、Ｘ（旧ツイッター）で、オースティン国防長官が９日に米国防総省で、ガラント氏と会談すると明らかにした。イスラエルによる報復が議題になるとみられる。