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「今は、一つ一つの仕事を丁寧にやりたい」……星野源さんの今をつづるエッセー集

読売新聞 / 2024年10月11日 15時30分

高橋美帆撮影

「いのちの車窓から 2」星野源さん

 俳優、歌手、文筆家とマルチに活躍するアーティストは、車窓をよく眺めていたという。仕事中に移動する電車や車から見える景色、コロナ禍で自宅にこもり、変化のなくなった窓の外の風景。

 「エッセーを書き始めた頃は、自分の体を機関車とするなら、その目線を車窓に見立てて描写していました。後半に入って、自分の心の中を見つめ直すような内容になった。いろんな状態の自分が残っている本だと思います」

 2017年に刊行したエッセー集の続編だ。14年の雑誌連載開始から約10年かけて、最後のエピソードまで書き上げた。「こういう文章を書けたらいいな、という書き味になれたと思う」。穏やかなまなざしで本を見つめる。

 出演したドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」で大ブレイクを果たすも、常に誰かに囲まれ、自身のささいな一言が翌日のニュースになるようになった恐怖と虚無感。音楽制作の新たな挑戦。歌の世界へいざなってくれた恩人との別れ――。日々の暮らしと向き合い、「心の感触」を丁寧につづった。

 <お前は車窓を眺めているのではなく、自分の瞳で直接世の中を見ているのだ>

 とどまることなく走ってきた自分という機関車も、今は少し、速度を落とす。「役者も歌手も文章も、20代で始めたことを全部一人前になるぞと思って、仕事をいっぱい詰めこんできた。今は、一つ一つの仕事を丁寧にやりたい」。そう語って、ふと笑う。「年を重ねて、徹夜したら、如実に翌日にガタッときちゃうし」

 仕事に行き詰まったら、ホラー小説を読むのが気分転換だ。岡本()(どう)といった古典的名作から、小説投稿サイトから注目を集めた作家の芦花公園まで好みは幅広い。「読むとほっとするんです。なんでだろうなあ」(KADOKAWA、1540円)小杉千尋

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