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ミサイル攻撃で両腕失ったガザの少年、夢はパイロット「大人になる頃には足で操縦できるよね」…父親「もちろんさ」

読売新聞 / 2024年10月7日 18時47分

9月18日、カタールの首都ドーハで、両腕を失い、足でスマホのゲームをするマフムード君=福島利之撮影

 パレスチナ自治区ガザでのイスラエル軍とイスラム主義組織ハマスの戦闘開始から1年。ガザでの死者は4万1000人、負傷者は9万7000人を超えた。大けがを負っても、必死に生きる子供たちがいる。

 「父さん、水飲ませて」――。ガザからカタールに逃れたマフムード・アッジュール君(9)は9月18日、父親ユーセフさん(38)に頼んだ。両腕のないマフムード君は、自分で水が飲めない。

 昨年12月6日昼、ガザ市の自宅で、イスラエル軍に「家を出ろ」と命じられた。外に出た時、ドローン(無人機)が発射したミサイルの攻撃を受けた。弟2人と先を歩いていた父が駆け戻ると、母のヌールさん(35)が絶叫していた。地面にマフムード君の細い両腕が転がっていた。

 病院に運ばれ、コップをつかもうとして、腕を失ったことに気づいた。「体中がものすごく痛くなってきた」。ガザ市の病院に2か月ほど入院し、カタール政府の支援で今年2月末にガザから脱出した。

 サッカーと海で泳ぐのが大好きだったが、もう楽しめない。学校では友達に手伝ってもらってノートを取る。両足でフォークを持って食事する訓練にも励む。ユーセフさんは「イスラエルはテロリストを攻撃しているというが、この子がテロリストか」と憤る。

 今は、父のスマートフォンでゲームに夢中だ。足を使い、器用に強敵を倒す。将来の夢は、パイロットになって両親を世界中に連れて行くこと。「僕が大人になる頃には足で飛行機を操縦できるよね」。そう問われた父親は「もちろんさ」と頭をなでた。(ドーハ 福島利之)

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