中国と北朝鮮にすきま風?…国交樹立75年、「友好年」でも高官往来や記念行事なし
読売新聞 / 2024年10月7日 19時45分
【丹東(中国遼寧省)=出水翔太朗、ソウル=依田和彩】中国と北朝鮮は6日に国交樹立75年を迎えた。2009年以来の「中朝友好年」にもかかわらず高官往来や記念行事の開催は伝えられず、関係の停滞を印象づけた。
6日は
中国の温家宝首相(当時)が訪朝し、友好年の閉幕行事が開かれた09年とは対照的に、今回は記念日にあわせた高官往来などは報じられていない。中朝国境の遼寧省丹東と対岸の北朝鮮側とを結ぶ「鴨緑江大橋」も6日、開通に向けた動きがなかった。橋は09年に建設で合意し、運用が始まれば「良好な中朝関係をアピールする絶好機」(外交筋)になるはずだった。
中朝貿易も振るわず、今年1~8月までの総額は前年比8・2%減にとどまる。ある中朝貿易関係者は「新型コロナ禍後に北朝鮮からの注文が減り、営業をやめる貿易会社が増えている」と明かす。
韓国の情報機関・国家情報院(国情院)は9月26日の国会報告で「中朝関係はかなり悪化している」と指摘した。国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議が2019年12月までの送還を義務づけた北朝鮮人労働者を巡り、中国側が新規受け入れに消極的なことに北朝鮮が反発を強めているためだとして「関係改善の可能性は高くない」と分析した。
中国側による、北朝鮮が行う密輸の摘発強化も一因とみられている。韓国紙・中央日報は9月13日、北朝鮮情報筋の話として、中国当局が正恩氏が使用するとみられる物品を含む密輸品を差し押さえたと報じた。
中国側は北朝鮮がロシアと6月に有事の相互軍事支援を定めた「包括的戦略パートナーシップ条約」を交わすなど軍事協力を強める中、日米韓も防衛協力を強めていることにいら立っているとの見方がある。9月9日には建国76年を迎えた北朝鮮での祝賀行事に中国の北朝鮮大使が休暇で欠席した。異例の事態だ。
双方は11月の米大統領選を契機に関係を再び進展させる機会を探るとの見方がある。
正恩氏はドナルド・トランプ前大統領が再選されて米朝交渉を再開させるシナリオを期待しているとみられる。交渉が再開されれば中国の後ろ盾が必要となり、中国にも北朝鮮に対する影響力をアピールしたい狙いがある。北京の外交筋は「中朝双方とも互いが必要になる局面を見据え、必要以上な関係悪化は避けようとしている」と分析する。
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