静岡県一家４人殺害事件、遺族に検察から控訴断念の連絡…「僕らには事件が実際どうだったのかわからない」

袴田巌さんに無罪判決を言い渡した国井裁判長（中央）（９月２６日、静岡地裁で）

　静岡県一家４人殺害事件で亡くなった専務夫妻の孫に当たる男性が８日夕、静岡市内の自宅前で読売新聞の取材に応じた。検察からこの日に控訴断念の連絡があったことを明かし、「検察がそう判断したので受け入れようと思う」と話した。

　男性は「控訴取りやめの判断の理由など詳細は後日改めて聞くことになっている」とした上で、「僕らには事件が実際のところ、どうだったのかわからない」と複雑な心境を明かした。

　再審公判で、事件の遺族は意見陳述書を提出。５月２２日の法廷では、検察官が「事実を精査して、真実を明らかにしてほしい」「尊い４人の命が奪われたことを忘れないでほしい」と読み上げた。