AIの基盤技術にノーベル物理学賞、受賞のヒントン氏「様々な悪影響が制御不能に陥る脅威も」
読売新聞 / 2024年10月8日 23時22分
2024年のノーベル物理学賞は、人工知能(AI)の基盤技術である機械学習を確立した米国とカナダの2人に贈られることが決まった。AI技術の応用によって社会の利便性が高まる一方、弊害も深刻化しており、専門家たちは、今回の授賞決定はAIの影響力の大きさを示した結果とみている。
同賞選考委員会は8日、米プリンストン大のジョン・ホップフィールド名誉教授とカナダ・トロント大のジェフリー・ヒントン名誉教授について、「2人の研究は既に多大な恩恵をもたらした。新素材の開発など多くの分野で使われている」と称賛した。
選考委員会は2氏の功績の関係者として、AI技術の源流となる「神経回路モデル」を考案した福島邦彦・元大阪大教授も挙げた。
AIの性能は、機械学習によって劇的に向上した。16年にはAIの「アルファ碁」がトップ棋士に勝利し、世界を驚かせた。AIが急速に社会の注目を集め、開発競争が激化した。
慶応大教授の杉浦孔明・慶応AIセンター長は「今回の授賞はAIの社会的な影響力の大きさが認められた証左だろう」と語る。
一方、生成AIで作成された偽動画の拡散など、AIは社会の混乱の一因にもなっている。ほかにも、AIの軍事転用などへの懸念が強まっている。
同日、電話で記者会見したヒントン氏は「様々な悪影響が制御不能に陥るという脅威も心配しなくてはならない。人間より賢いシステムが生まれ、(私たちを)支配するのではないか」と懸念を示した。ノーベル賞の歴史に詳しい小山慶太・早稲田大名誉教授(科学史)は「選考委員会は、AIの負の面について社会に警鐘を鳴らすメッセージも込めているはずだ」と指摘する。
この記事に関連するニュース
ランキング
-
1「異臭がする。1ヶ月くらい住民を見ていない」 泉佐野市住宅で2人変死 高齢の夫婦か
ABCニュース / 2024年10月8日 18時58分
-
2「令和の袴田さんにしないで」=無罪主張の角川元会長―五輪汚職初公判
時事通信 / 2024年10月8日 17時34分
-
3事件前に口論か 中学生と母親の間に何が…死因は窒息死「ひもで首を絞めた」 札幌市白石区
STVニュース北海道 / 2024年10月8日 16時7分
-
4袴田巌さん、無罪確定へ 検察が控訴断念を発表 逮捕から58年
毎日新聞 / 2024年10月8日 17時22分
-
5「裏金議員」続々非公認 それでも比例出馬目指す「政界渡り鳥」杉田水脈氏に大ブーイング
J-CASTニュース / 2024年10月8日 12時25分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください