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東京・埼玉の闇バイト強盗、千葉・神奈川も同様事件で計7件に…指示役の特定へ広域捜査

読売新聞 / 2024年10月9日 7時40分

 東京・埼玉で相次いだ「闇バイト」に応募した実行役らによる強盗事件で、今年8月以降、千葉県や神奈川県でも同様の事件が起きていたことがわかった。一連の強盗事件は4都県で7件に上っており、警察庁は8日、各警察本部の捜査幹部を集めた会議を開催。警視庁と3県警などは指示役の特定に向けて本格的な広域捜査に乗り出した。

いずれも「トクリュウ」関与か

 「被害者に重傷を負わせる悪質極まりない事件も発生し、国民の体感治安に大きく影響を及ぼしている」。警察庁の谷滋行・刑事局長は会議の冒頭、強い危機感を口にした。

 東京・埼玉では9月以降、住宅を狙った強盗事件が4件発生。いずれも秘匿性の高い通信アプリ「シグナル」で指示が出されており、東京都国分寺市と埼玉県所沢市の事件では、実行役が重なるとみられている。

 警察は「匿名・流動型犯罪グループ」(トクリュウ)が関与し、「闇バイト」でメンバーを集めて実行したとみて捜査。近県の発生状況を確認した結果、8月29日~9月3日に千葉県八千代市、神奈川県厚木市、鎌倉市の質店などでも強盗事件があり、関連がある疑いが強まった。8月以降に4都県で起きた一連の強盗事件は少なくとも7件となり、6事件で実行役ら19人が逮捕されたが、いずれも指示役は特定されていない。この日の会議では、手口や捜査方針が共有された。

「逃げたら殺す」

 一連の指示役は実行役を恐怖で支配するのが特徴だ。

 埼玉県警によると、9月18日にさいたま市西区で起きた強盗事件で逮捕された実行役4人は、SNS上で「人を運ぶ」「ホワイト案件」などの求人に応募。指示役に顔写真や運転免許証を送っていた。

 指示役はその後態度を一変させ、個人情報を盾に危害を加えるとほのめかし強盗への加担を求めていた。所沢市で今月1日に起きた事件も同じ構図で、逮捕された実行役は「逃げたら殺すと言われて抜け出せなかった」と供述したという。

 「高額報酬」などの甘い誘い文句を並べる闇バイトでは、実際に報酬を得られるケースは極めてまれだ。

 東京都練馬区で9月28日に起きた強盗事件でも、逮捕された実行役ら男4人は、誰も報酬を受け取っていなかった。警察幹部は、「闇バイトに応募すれば犯罪組織に脅され、『使い捨て』にされて人生が台なしになる。絶対に関わってはいけない」と話している。

リフォーム顧客名簿 悪用か

 東京都国分寺市で起きた事件では、被害者が過去に住宅リフォームの高額契約を業者と結んでいたことが判明しており、警視庁は顧客名簿などが悪用されているとみている。

 強盗事件は、窓ガラスを割って侵入する荒っぽい手口のほか、近年はガス点検や宅配業者を装う手口もある。侵入を防ぎ、身を守るにはどうしたらいいのか。

 一般社団法人「日本防犯学校」のアナリスト桜井礼子さん(62)が勧めるのが、窓への防犯フィルムの利用やシャッターの設置だ。侵入までに時間がかかり、断念させる効果が期待できる。

 最近は侵入時の衝撃で音を発する「防犯アラーム」や、AI(人工知能)で侵入者を識別して光で照らし、警報音で威嚇する防犯カメラも市販されている。

 資産の確認を目的とした電話や訪問もあり、不用意に個人情報を話さないことも大切だ。桜井さんは「日頃から家族や地域で対策を話し合ってほしい」と話す。

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