セブン＆アイ買収提案、クシュタールが１兆円上積みし７兆円提示か

クシュタールの店舗（左）とセブン-イレブンの看板

　セブン＆アイ・ホールディングス（ＨＤ）への買収提案を巡り、カナダのコンビニエンスストア大手アリマンタシォン・クシュタールが新たな提案をしたことが９日、わかった。買収額は、前回の提案を約１兆円上回る７兆円程度となった模様だ。

　関係者によると、新提案は９月中に行われ、実質的な協議は始まっていないという。セブン＆アイは社外取締役による特別委員会で対応を検討するとみられる。

　セブン＆アイは８月、クシュタールから「初期的な買収提案」を受けたと公表。特別委で協議し、９月６日、企業価値を「著しく過小評価している」として提案に反対する書簡をクシュタールに送ったと発表した。

　これに対し、クシュタールは「友好的な協議を進めるため、適切な秘密保持契約を締結する用意がある」とする声明を発表。「資金調達は今回の統合の制約とならない」とし、買収価格の引き上げを示唆していた。

　セブン＆アイは前回の提案に反対した理由として、金額面のほかに、買収が実現した場合、米国の独占禁止法に抵触する恐れがあるとの課題も指摘しており、新提案を受け入れるかどうかは見通せない。