トヨタ系の元社員ら２人逮捕、架空請求で１億６０００万円詐欺容疑…ダイハツのサイト保守業務巡り

　ダイハツ工業のウェブサイトの保守管理業務を巡り、架空の業務代金名目で取引先から約１億６０００万円を詐取したとして、警視庁は９日、トヨタ自動車グループの広告会社「トヨタ・コニック・プロ」（東京都千代田区）元社員、渡部友矢容疑者（５１）（大阪市浪速区）ら男２人を詐欺容疑で逮捕した。架空請求を約４年間で約５０回繰り返し、総額約３億６０００万円を詐取したとみている。

　ほかに逮捕されたのは、知人のコンサル会社「淘屋」（東京都中央区）社長佐藤壮彦容疑者（５６）（江東区）。

　捜査関係者によると、２人は共謀して２０２０年４月～２２年１月頃、コニック社が受注したダイハツ工業のウェブサイトの保守管理業務を巡り、２次下請けの淘屋から下請けの広告関連会社に、サーバー監視などの架空の業務代金を約２０回にわたって請求し、約１億６０００万円をだまし取った疑い。

　渡部容疑者は当時、社内でウェブサイトの保守管理業務を統括する立場だった。

　警視庁は淘屋の会社口座から、詐取金の約８割が渡部容疑者が設立したペーパーカンパニーを介して還流したとみている。渡部容疑者は還流資金を個人口座などで受け取っており、一部は遊興費やギャンブルに充てられていたという。

　コニック社の内部調査で発覚し、渡部容疑者は２２年１２月に懲戒解雇されていた。同社は今年２月に不正を公表し、再発防止に取り組む方針を明らかにしていた。

　同社は９日、取材に対し、「関係者の皆様にご迷惑をおかけし、深くおわび申し上げる。厳粛に受け止め、コンプライアンス強化に努める」などとコメントした。

　コニック社は２１年１月に社名を「デルフィス」から変更している。