禁止の米国発チャットアプリ、ロシア軍が戦場で使用…「国産品では代替できない」との声も

ロシア国旗＝ロイター

　ロシアの通信規制当局が、ゲーム愛好家に人気の米国発チャットアプリ「ディスコード」への接続を禁止したことが波紋を呼んでいる。ロシア軍がウクライナとの戦場で部隊間の調整などに使っており、ＳＮＳでウクライナ侵略の戦況などを発信している軍事ブロガーらが反発したためだ。露軍が秘匿性の必要な通信を米国で開発されたアプリに依存していることが露呈した。

　タス通信によると、ディスコードへの接続禁止が発表されたのは８日だった。犯罪行為への関与や性的少数者（ＬＧＢＴ）の宣伝などの投稿が「違法」とみなされたとみられている。

　米紙ワシントン・ポストによれば、これに対して軍事ブロガーらから「露軍の通信手段を奪った」などと批判が相次いだ。

　露側には米国発のアプリに依存する現状に危機感はあるが、機能面で「国産品では代替できない」（露国会議員）との声もある。