1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

「石破カラー」控えめ、短期決戦で出しにくかった新機軸…自民公約発表

読売新聞 / 2024年10月11日 6時50分

自民党の衆院選公約を発表する小野寺政調会長(10日、党本部で)

 自民党が発表した衆院選公約は石破首相(党総裁)の持論を抑え、「岸田路線」踏襲の色合いが濃いものとなった。短期決戦のため、党内の意見集約に時間をとれず、新機軸を出しにくかった面がある。政党が議員に支給する政策活動費(政活費)では「将来的な廃止」に踏み込み、改革姿勢を示した。

「岸田路線」踏襲

 「政権公約をはじめとする政策は実現できてこそ意味がある。絵に描いた餅に終わらせてはいけない」

 小野寺政調会長は10日、公約発表の記者会見でこう強調した。公約では、首相が長年訴えてきた防災庁の設置に向けた準備を進めることや地方創生、自衛官の処遇改善など一定の「石破カラー」を盛り込んだ。

 ただ、経済政策では物価上昇を上回る賃上げの実現を掲げ、社会保障分野では「持続可能な全世代型社会保障の構築」を明記するなど、岸田前内閣が6月にまとめた「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」に沿った内容となった。

 外交・安全保障政策を巡っては、首相は総裁選で、アジア版NATO(北大西洋条約機構)創設や日米地位協定の改定などを主張した。ただ、同構想は集団的自衛権の全面的行使を可能にする憲法改正が必要となり、実現は困難だとの見方が強い。地位協定の改定についても、日米同盟維持の観点から懸念する声が党内外で上がっている。

 そのため、公約では、アジア版NATOを念頭に、「地域の安全と安定を確保する取り組みを主導する」とうたったものの、言及は避けた。地位協定に関しても「あるべき姿を目指す」との表現にとどめた。

「将来的な廃止」

 さらに、意欲を見せていた選択的夫婦別姓の導入に関しても、旧姓が使用できないことは「運用面で不便の解消に取り組む」とし、「氏制度の在り方についてはどのような形がふさわしいかを含め、合意形成に努める」と方針を明確にしなかった。閣僚経験者は「議論が煮詰まっていないことを書き、波紋を呼ぶのを避けたのだろう」と指摘した。

 政活費を巡っては、党内に廃止に対して慎重論があるものの、野党各党が廃止を主張しているのに合わせる形で「将来的な廃止も念頭に、透明性の確保や、監査に関する第三者機関の設置などに取り組む」と石破カラーを出した。

 もっとも、首相は9日の党首討論で、政活費を衆院選で使用する可能性を認めた。党内では「廃止は言うはやすしで、政治にカネがかかる以上、議員に出すカネを絞るのには限界がある」との声も出ている。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください