ＩＯＣ、パリ五輪期間中の中傷ＳＮＳ投稿１万２００件を削除要請…女子選手への嫌がらせ多く

エッフェル塔に設置された五輪のシンボルマーク＝守谷遼平撮影

　【パリ＝平地一紀】国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）は１０日、今夏のパリ五輪期間中、オンライン上で見つかった選手や関係者への誹謗（ひぼう）中傷１万２００件について、ＳＮＳの運営会社に削除を要請したと発表した。

　発表によると、ＩＯＣは、選手らが保有するＸ（旧ツイッター）など２万アカウントに関わる３５か国語、２４０万件の投稿を人工知能（ＡＩ）を活用して分析。中傷の可能性があるとされた投稿は１５万２０００件で、そのうち中傷と断定されたものの削除を求めたという。

　被害にあった選手や関係者は３５３人に上り、女子選手に対する嫌がらせが多かった。投稿の多くは本人の目に触れる前に削除されたという。ＩＯＣはパリ五輪で、中傷を受けるなどした選手らがＳＮＳや電話でいつでも相談できる窓口を整えるなど、心の健康を守る取り組みを強化していた。