富士山、通行料値上げやゲート閉鎖時間の前倒しに賛否…「５合目の観光に影響」など

登山者（中央）の装備や服装を確認する県職員ら（７月２０日、山梨県側の富士山５合目で）

　富士山の登山規制強化の検討を表明したことを巡り、山梨県は１１日、富士吉田市で関係団体を一堂に集めた意見交換会を開いた。県が提示した通行料値上げやゲート閉鎖時間の前倒しについては賛否が分かれた。

　県や同市、山小屋や登山ガイド、５合目の売店などの代表者らが出席。冒頭を除き非公開で行われた。

　県などによると、ゲートの閉鎖直前に入山する「駆け込み登山」を防ぐため、閉鎖時間（午後４時）を前倒しする案については、登山者の指導にあたる団体側から「前倒しは不可欠だ」との意見が出たが、観光関係者からは「５合目の観光に影響が出る。現状維持にしてほしい」との声も出た。

　通行料（１人２０００円）については、県側は値上げの根拠として今年度の費用の内訳などを提示。「登山者が減りすぎてしまう」として、慎重に検討するよう求める意見も出た。任意徴収の富士山保全協力金（１人１０００円）との一本化は賛同を得られたという。

　終了後、県の岩間勝宏・富士山保全・観光エコシステム推進監は「出た意見を持ち帰り、方針を決めていきたい」と話した。