藤田菜七子騎手が引退…当時の調査では外部との通信否定、「文春」報道受け虚偽説明を認める

　日本中央競馬会（ＪＲＡ）は１１日、藤田菜七子騎手（２７）（美浦）の現役引退を発表した。通信が禁じられている競馬場の宿泊施設にスマートフォンを複数回持ち込み、競馬関係者３人と連絡を取っていたとして、騎乗停止となっていた。

　発表によると、藤田騎手は昨年５月、若手６人が同様の問題を起こした際の調査に対し、施設内で検索サイトをスマホで見ていたことを認めた。当時、本人は外部との通信を否定したため、ＪＲＡは厳重注意にとどめていた。

　ＪＲＡは「週刊文春」の報道によって新たな問題を把握し、９日に本人に事情を聞いたところ、虚偽の説明をしていたと認めた。ＪＲＡが１０日、裁定委員会を開いて処分を検討する方針を伝えると、本人が引退の意向を示した。

　藤田騎手は２０１６年に１６年ぶりのＪＲＡ新人女性ジョッキーとしてデビューし、中央通算１６６勝を挙げた。１９年にはＧＩにも騎乗し、女性で初めて中央の平地重賞も制覇。最年長女性騎手として、女性ジョッキーが活躍できる下地も作ってきた。