被団協にノーベル平和賞、ウクライナ侵略や中東情勢も選考に影響…フリドネス委員長「被爆者の証言が核兵器使用反対の国際規範を作った」
読売新聞 / 2024年10月11日 23時45分
【オスロ=梁田真樹子】ノルウェーのノーベル賞委員会のヨルゲン・ワトネ・フリドネス委員長(39)は11日、オスロで本紙のインタビューに応じた。「日本原水爆被害者団体協議会(被団協)」にノーベル平和賞を授与する理由について「被爆者の体験を伝えることで、核兵器の使用に反対する国際的な規範を作った」と説明し、息の長い取り組みを評価した。
「被爆者の活動で唯一無二なのは証言だ。被爆者は経験を伝えることに人生をささげ、世界中に影響を与えてきた」と指摘し「約80年間、実際に核兵器が使われていないことは、その成果だ」とたたえた。
フリドネス氏は1945年に広島と長崎に投下された原爆を引き合いに「現在の核兵器の破壊力は格段に上がっており、使用されれば影響は人類全体や環境にも及ぶ」と強調した。
ウクライナ侵略を続けるロシアによる「核の威嚇」や、パレスチナ自治区ガザをはじめ中東で続く戦闘などの国際情勢が選考に影響したことも明らかにした。
これに先立つ共同インタビューで、フリドネス氏は被団協への平和賞授与は「核兵器に関する政策的判断を行う世界中の指導者や、核兵器の使用反対を求める市民の活動にも影響を与えるだろう」と期待感を示していた。
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