山田うどんが展開、タンメン店「山田太郎」が女性にも人気…「町中華」チェーンの低迷を教訓に
読売新聞 / 2024年10月12日 14時2分
「山田うどん食堂」を展開する山田食品産業(埼玉県所沢市)のラーメンチェーン「埼玉タンメン山田太郎」が人気を集めている。国産野菜をふんだんに使ったメニューやゆったりとした店内で、女性客や家族連れに受けている。開店から3年間で、店舗数は7店まで増えた。(川村祐生)
同チェーンの看板メニューは濃厚タンメン(税込み800円)。たっぷりのいため野菜が盛られ、鶏ガラと豚骨ベースのスープが中太麺によく絡む。1杯あたりの野菜は200グラム。無料で100グラム増量もできる。
9月1日昼の「所沢本店」は、約70席が埋まるほどの盛況ぶり。小学生の娘らと訪れていた東京都練馬区の主婦(37)は「野菜がたくさんのっていて、スープが脂っこくない。家族全員で楽しめる味。席も広くゆったり食べられる」と話す。月に1、2回ほど来店しているという。
同チェーンが目指すのは「女性が1人でも入りやすいラーメン店」で、従来の「山田うどん」より席数を減らし、席ごとの間隔を広げた。その結果、山田うどんでは2割ほどだった女性客が、約6割まで増えた。
同社は2002年から、「町中華」がコンセプトの新チェーンを展開した。だが、従来の山田うどんでもラーメン販売を始めたことなどから新チェーンの売り上げは低迷し、21年に閉店したという。
同社営業企画課の江橋丈広・担当部長は「当時を教訓に、山田うどんとの差別化を意識した」と明かす。現在の7店舗のうち、1~5号店は同社が運営する居酒屋などからの業態転換で、いずれも転換前より売り上げを伸ばしたという。
埼玉タンメンでは、タブレット端末での注文やセルフレジなども導入している。同社は、今後も山田うどんが密集する埼玉県南部や西東京エリアへの出店を進めていく方針で、江橋担当部長は「ブランドの定着を目指したい」と話している。
◆山田食品産業=1935年に手打ちうどん専門店として創業。製粉、製麺工場などを経て65年に所沢市に山田うどん1号店を開店した。豊富なメニューとボリューム、安さを売りに郊外の幹線道路沿いを中心に出店を進め、現在は関東の1都6県に約150店舗を展開している。
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