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ゼレンスキー氏に焦り、「勝利計画」に欧州首脳の賛同乏しく…長射程兵器の使用容認も得られず

読売新聞 / 2024年10月13日 8時46分

 【ロンドン=蒔田一彦】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は10、11日に英仏独などの欧州主要国を歴訪した。ロシアの侵略終結に向けて策定した「勝利計画」については協議継続の確認にとどまった。侵略が長期化する中、米欧では領土の一部をロシアに占領されたままの停戦を主張する論調も出てきた。

 ゼレンスキー氏は11日、ベルリンで、ドイツのショルツ首相との会談に先立ち報道陣の前に姿を現した。ショルツ氏は追加支援として来年度予算に40億ユーロ(約6500億円)を盛り込んだと表明し、今後も支援を続ける姿勢を示した。

 ゼレンスキー氏は支援継続に感謝した上で、勝利計画について「この戦争を終わらせるための計画だ。それは来年実現するのが望ましい」と語った。

 ウクライナの勝利計画は、米欧の供与した長射程兵器によるロシア領への攻撃容認や、北大西洋条約機構(NATO)加盟の早期実現が盛り込まれているとみられている。

 9日にクロアチアで開かれた国際会議に出席したゼレンスキー氏は、翌10日から2日間で英国、フランス、イタリア、バチカン、ドイツを歴訪。ドイツで12日に開催予定だった支援国の首脳級会合が、米国のバイデン大統領の欠席で中止となったことを受けたものだ。

 一連の首脳会談では、支援継続の約束は取り付けた。しかし、ウクライナの強く求める長射程兵器の使用制限の緩和には了承は得られなかった模様だ。ロシア側を刺激するとの懸念が根強いためとみられる。

 ウクライナは米欧から「勝利計画」への賛同を集めて、ロシアを交えた「平和サミット」を11月に開催するシナリオを描いていたが、開催できるかどうかは不透明な状況だ。

 ゼレンスキー氏に焦りの色がにじむのは、11月の米大統領選でウクライナ支援に消極的なトランプ前大統領が当選する可能性があるからだ。戦況を少しでも好転させ、軍事・外交両面でロシアに圧力をかけたいとの思いがある。大規模な地上戦が難しくなる冬も迫っている。

 ウクライナは8月上旬に露西部クルスク州への越境攻撃に乗りだしたものの、ウクライナ東部ではロシア軍の攻勢が続き、東部の要衝ウフレダルは露軍に制圧されたとみられている。

 そんな中、NATOのイェンス・ストルテンベルグ前事務総長は4日の英紙フィナンシャル・タイムズのインタビューで「必ずしも国際的に承認された国境ではない線」を引くことでウクライナのNATO加盟が可能になるとの見方を示した。冷戦期に西ドイツだけがNATOの集団安全保障の対象だったことなどを例に挙げた。

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