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「ここだけ日程を変えるわけにはいかない」…地震や大雨被害の奥能登の選管、立会人や投票所確保に奔走

読売新聞 / 2024年10月15日 5時0分

仮設住宅が多く集まるエリアに設置された衆院選のポスター掲示板

 自民党・石破茂総裁の首相就任から26日後という戦後最短の衆院選を前に、県内自治体の選挙管理委員会が準備作業に追われている。能登半島地震や大雨被害の復旧・復興業務で多忙を極める中、職員らは「ここだけ日程を変えるわけにはいかない」と、投票所や立会人の確保を進めている。

 地震や大雨で大きな被害を受けた輪島市は8日から、立候補者のポスター掲示板の設置を始めた。地域住民が住む応急仮設住宅の付近や、倒壊した建物が多く残るエリアに立てられた掲示板が、復旧・復興と選挙の両立に追われる同市の状況を浮き彫りにする。

 同市は前回選で159か所に候補者ポスターの掲示板を設置したが、所有者と連絡が取れない土地もあり、今回は半分以下の60か所に。投票所の被災も相次いだため、複数の投票所を統合したり、別の施設を探したりして18か所を確保した。期日前投票では仮設住宅の集会所も使う。

 市選管は「輪島だけ選挙をやめることはできない。通常と異なる対応が必要だが、ミスなく適正に執行されるよう取り組みたい」と力を込める。市職員のみで対応する予定だが、不測の事態となれば、災害対応で派遣されている応援職員に協力を仰ぐ可能性もあるという。

 奥能登の自治体はどこも同じ状況で、ある被災市町の選管からは「災害対応をしている職員が多く、正直人手が足りない。県職員らにも事務作業を手伝ってもらいたい……」と助けを請う声も上がっている。

 金沢市は前回選に続き、金沢マラソンの開催日が投開票日になった。会計年度任用職員も動員し、選挙事務に約1130人、マラソンの大会運営に約1000人を割り振って300人ほどが掛け持ちで対応し、投票所周辺のコース沿いの交差点を一部で横断可能にする。市選管の担当者は「ノウハウがあるため前回ほどの混乱は今のところ見られない。ミスのないよう粛々と進めていく」と話す。

 県選管は、不在者投票や期日前投票の周知徹底を図って投票率を向上させたい考えで、人手が足りない被災市町の支援も検討しているという。野見佳賢書記長は「公正公平な選挙が滞りなく実施できるよう、各市町と連携して対応していく」としている。

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