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心の荷とともに看板下ろす…袴田さんの裁判で不本意な検察側証言を後悔していた刃物店

読売新聞 / 2024年10月15日 16時13分

「心の荷が下りた」と看板を見つめる高橋さん(13日、沼津市で)

 1966年に清水市(現・静岡市清水区)で一家4人が殺害された事件で、袴田巌さん(88)の再審無罪が確定したことを受け、沼津市出身で群馬県の高橋国明さん(74)は13日、両親が経営していた同市内の刃物店の看板を下ろした。「ようやく区切りを迎えられた」。母親の不本意な証言などを基に検察側は袴田さんが同市内で凶器の「くり小刀」を購入したと主張。母は証言を後悔していたからだ。

 事件後、両親の店に捜査員が訪れた。20~30枚の顔写真を見せられた母はその際は「見たことがある人はいない」と答えたものの、静岡地裁での1審で「事件前に袴田さんを見たことがある」という趣旨の証言をしてしまい、晩年、「思っていることと違う」と後悔したまま、昨年2月に亡くなった。

 高橋さんは袴田さんの支援を続け、街頭でのビラ配りなどをしてきた。集会で会った袴田さんの姉ひで子さん(91)に謝罪すると、「あなたも大変だったと思う」と声を掛けられた。

 9月26日の判決は法廷で見守った。判決で、母の証言は「被告人の犯人性を積極的に推認させるものではない」とされた。「これで両親の肩の荷も軽くなるのではないか」

 判決後、沼津市内にある両親の墓前に袴田さんの無罪を報告。13日には、2011年に閉店した刃物店の看板を取り外し、両親の遺影を手に家族8人で見守った。

 「無罪が確定したら看板を下ろそうと思っていた。私たちの家族にとって一区切りになった」と高橋さん。「検察側の証人となった両親に代わり、改めて袴田さんやひで子さんにおわび申し上げます」と語った。

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