川村元気さん 人気映画プロデューサーは、小説執筆のため100頭の馬を取材して落馬でけがをした
読売新聞 / 2024年10月18日 15時30分
「私の馬」川村元気さん
今から20年前、インターネット掲示板への匿名の書き込みがきっかけで、ラブストーリー「電車男」が生まれた。映画版の企画を手がけ、大ヒットに導いた著者はこの数年、コミュニケーションのあり方に悩んでいた。
「今、SNS上に電車男が現れたら、『応援』ではなく『炎上』になると思う。誰もが毎日スマホを見て、人類史上もっとも言葉を使っているであろう時代。その言葉が相手を攻撃したり、悪口を言ったりするのに使われているのを見て疲れてしまった」
人はあまりに、言葉に頼りすぎていないか。そう思って書き始めた物語は、人と動物との、言葉のない世界だった。
造船所で働く事務員の瀬戸口優子はある日、道端で元競走馬のストラーダと出会う。乗馬したときの一体感に魅せられた優子は、ストラーダに金も情熱もささげ、会社での横領に手を染めてしまう。
執筆のため、100頭ほどの馬を取材した。落馬してケガをしたこともあった。ドラムスのようなリズムのある馬の足音、金管楽器のように聞こえるいななき。音の描写にこだわった。「小説を読みながら、音楽を聴いているような感覚になってほしい」
映画プロデューサーとして、「悪人」や「君の名は。」などの人気作を製作する傍ら、2012年に『世界から猫が消えたなら』で作家デビュー。以来、「3年に1回」だけ、小説を書いている。
「小説を書くという行為の大部分は、社会の中で『何に気づいているか』ということ。それを自分の中にためて、醸して、最後に文字にする」
娯楽があふれ、映画や読書に時間やお金を使ってもらえなくなったと感じている。「映画館を出たとき、小説の最後の一行を読み終わったとき、現実がちょっとでも変わって見えていてほしい」(新潮社、1870円)小杉千尋
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