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党首ら第一声で舌戦幕開け、日本の針路選択に望む声「長期的な復興を」「クリーンな政治」「賃上げ対策」

読売新聞 / 2024年10月15日 14時20分

衆院選が公示され、候補者らの第一声に耳を傾ける人たち(15日午前、福島県いわき市で)=永井秀典撮影

 衆院選が15日公示され、舌戦が幕を開けた。27日の投開票は内閣発足の26日後と戦後最短。政治資金問題に揺れる自民党が一部候補を非公認とするなど、異例ずくめの展開だ。物価高、少子化など山積する課題を前に、候補者たちは何を訴えるのか。有権者は党首らの第一声に耳を傾けた。

自民・石破茂首相、福島で「新しい日本の再生にかける」

 石破首相は、東日本大震災の被災地・福島県で第一声を上げた。自民党総裁が同県から遊説を始めるのは2012年以降、5回連続となった。

 石破首相は午前10時半頃から、いわき市の小名浜港で演説し、「福島の復興なくして東北の復興なし。東北の復興なくして日本の復興なし。新しい日本の再生にかける我々の思いは、この福島いわき小名浜から始まる」と気勢を上げた。能登半島での災害にも触れ、「能登の復興は予備費できちんとやる」とも語った。

 海産物直売店を営む男性(54)は「福島第一原子力発電所の処理水放出後は風評被害が心配されたが、県外からも多くの人が魚を買いに来てくれた。安全に原発の廃炉を進めてほしい」と求めた。団体職員の女性(80)は「震災から13年たっても原発事故で帰れない地域がある。長期的な視点で復興に取り組んでもらいたい」と話した。

立憲民主・野田佳彦代表、八王子で「裏の自民党の政治文化を壊す」

 立憲民主党の野田代表は午前9時過ぎ、東京都八王子市のJR八王子駅北口で第一声。同市の選挙区は、自民党派閥の政治資金問題で同党の公認を得られずに無所属で出馬した前議員に、立民の新人らが挑む。野田代表は「政治とカネ」を巡り、「自民党はきちんと解明せず、議員の処分も甘かった。『裏金隠し解散』だ。裏、裏、裏の自民党の政治文化を八王子から壊す」と訴えた。

 演説に耳を傾けた同市の主婦(56)は「自民党議員の裏金問題には怒りを感じるし、選挙で勝てばみそぎが済んだとされるのも納得がいかない。生活が上向く希望が持てるような政治を」と求めた。

 同市内でバイク修理店を営む男性(62)は「税金を納めている身からすると、政治家がいいかげんな会計処理をしていたことにあぜんとした。政策が良くても裏金の問題がある時点で信頼はできず、何よりクリーンな政治を求めたい」と語った。

維新・馬場伸幸代表、高田馬場で「国民全てが夢や希望持てる社会を」

 日本維新の会の馬場代表は午前10時半過ぎ、東京都新宿区の高田馬場駅前でマイクを握った。政治とカネについて、「自民党には再発防止策の案もなく、自浄能力はない」と批判し、「私たちは政策活動費を廃止し、結党以来、企業・団体献金をもらっていない。旧文通費の領収書公開もやってきた」と実績を強調。「国民全てが、夢や希望を持てる社会を必ず作る」と訴えた。

 中野区の大学生(21)は「カネ絡みの問題を起こした議員は言い訳ばかり。使い道が分からないカネをなくすため、透明性の高い政治を実現してほしい。自分の考えを持ち、現実的な政策を打ち出せる政治家に1票を投じたい」と話した。

公明・石井啓一代表、池袋で「物価高上回る持続的な給料の引き上げを」

 公明党の石井代表は午前10時45分頃、東京都豊島区の池袋駅西口で選挙戦をスタートさせた。石井代表は物価高対策について「低所得世帯や年金生活者に対する給付や、電気・ガス、燃料費への支援を継続し、自治体に交付金を支給して地域の実情に合わせた対策をしてもらう。中小企業を支援し、物価高を上回るような持続的な給料の引き上げを必ず実現させる」と力を込めた。

 板橋区の主婦(54)は「スーパーの広告を見比べて安い食材を選んだり、外食を減らしたりして日々節約している。将来のことを考えて貯蓄もしないといけないし、生活はかなりきつい。一人でも多くの人が潤う政治の実現を期待している」と話した。

共産・田村智子委員長、池袋で「大企業、超富裕層優遇をやめよう」

 共産党の田村委員長は午前10時20分頃から、池袋駅東口で演説。田村委員長は、消費税率を5%に引き下げるべきだと主張し、「賃金は上がらないのに消費増税され、国民の皆さんの多くは生活が苦しい」と強調した。石破政権について「賃上げ無策、軍事一辺倒の姿勢があらわになっている」と批判し、「格差を正し、暮らしを守るために税金はある。もうかっている大企業、超富裕層への優遇をやめよう」と力を込めた。

 西東京市の会社員女性(45)は「物価高で、スーパーで買い物をしてレシートを見るたびに驚いてしまう。食品や生理用品といった生活必需品の消費税を下げるか、なくすかしてほしい」と求めた。

国民・玉木雄一郎代表、神戸市で「国民の皆さんの手取りを増やす」

 国民民主党の玉木代表は午前10時過ぎ、神戸市垂水区のJR垂水駅前で第一声を上げ、「争点は、国民を豊かにする政治家を選ぶのか、自分の懐を豊かにする政治家を選ぶのかだ」と語った。「税収を(国民に)還元し、医療制度改革を進めて社会保険料を減らす。国民の皆さんの手取りを増やす」とも主張した。

 学習塾で経理を担当する男性(69)は「物価は上がっているが、授業料は簡単には上げられないので経営は苦しい。業者に発注していた生徒募集のチラシを自分で配るようにしたが、経費削減には限界がある。これからの世代が希望を持てるよう、賃上げ対策の議論を深めてほしい」と話した。

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