イスラエル、イランに対する報復攻撃の準備整う…対象は軍事施設限定と米側に伝達

１６日、ガザ市で、イスラエル軍の攻撃を受けた民家＝ロイター

　【エルサレム＝田尾茂樹】米ＣＮＮは１６日、情報筋の話として、イスラエルが計画しているイランへの報復攻撃の準備が整ったと報じた。イスラエルは攻撃を軍事施設に限定すると米側に伝えたという。

　米当局者は、１１月５日の米大統領選前に報復攻撃があるとみている。実行された場合のイランなどによる反攻に備え、米国は防空支援のため、イスラエルにミサイル防衛システム「最終段階高高度地域防衛（ＴＨＡＡＤ＝サード）」を配備し、米兵約１００人を派遣している。

　一方、イスラエルの民放チャンネル１３によると、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は１６日、パレスチナ自治区ガザへの支援物資の搬入拡大について協議した。近く搬入増を認めるという。

　ガザの人道状況については、米政府が３０日以内の改善をイスラエルに求める書簡を１３日付で送付し、改善されない場合には、軍事支援を停止する可能性を示唆していた。

　ガザでは、イスラエル軍による攻撃激化で支援物資の搬入が滞り、国連パレスチナ難民救済事業機関（ＵＮＲＷＡ）のフィリップ・ラザリーニ事務局長が「活動の限界に近づいている」と危機感を示している。