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妻殺害で起訴された元県議、検察は状況証拠から立証へ…動機は借金4000万円や不倫と指摘

読売新聞 / 2024年10月17日 14時30分

初公判に臨む丸山被告(左)=イラスト・構成 秋山史朗

弁護側は「議員会館から移動していない」と主張

 「妻を殺害したのは私ではありません」。妻を殺害したとして、現職の自民党所属長野県議が逮捕されてから約1年11か月。16日に長野地裁で開かれた元県議、丸山大輔被告(50)に対する裁判員裁判の初公判で、丸山被告は起訴事実を否認し、弁護側は無罪を主張した。一方、検察側は状況証拠から「被告以外に真犯人がいるという仮説が成り立たないこと」を立証する方針を示した。

 午前10時、丸山被告は上下黒のスーツ、白いシャツに青色のネクタイという姿で法廷に入った。時折メモを取りながら審理に聞き入っていた。

 冒頭陳述で検察側、弁護側は丸山被告の事件当日の行動▽殺害の動機▽現場の状況▽事件前後の行動――の四つのテーマについて、それぞれの主張を述べた。

◆検察側

 検察側の冒頭陳述によると、丸山被告は2021年9月28日午後11時20分頃、長野市の議員会館から車で塩尻市の自宅に出発。県議会の資料を作っていたと偽装するためノートパソコンを起動させたまま向かい、妻の希美さん(当時47歳)を殺害し、翌29日午前5時10分頃に議員会館に戻ったと指摘した。物取りの犯行に見せかけるため、室内が物色されたように足跡を残すなどし、残された足跡の靴底のデザインは丸山被告のテニスシューズと一致したとしている。

 丸山被告は当時、不倫関係にある女性との結婚を望んでいたうえ、漆器販売店を営む妻の実家から少なくとも約4000万円の借金をしており、離婚すると返済を迫られると考えたのが殺害の動機と指摘した。事件直後、女性に結婚を執拗しつように迫り、希美さんが死亡したことによる生命保険金を受け取ったとした。

◆弁護側

 一方、弁護側は丸山被告は事件当日、「議員会館から移動していない」と主張。28日夜は同僚県議と飲酒しており、車を運転して約80キロの距離がある議員会館と自宅を往復したり、就寝中の子どもに気付かれず希美さんを殺害したりすることは不可能だと述べた。議員会館には他にも同僚の県議が滞在していたにもかかわらず、出入りする丸山被告を誰も目撃しておらず、「妻を何者かに殺害された丸山さんが犯人だと疑われている」と述べた。

 また、丸山被告が議員会館と自宅を往復したかどうかについて、検察側は議員会館と自宅を結ぶ道中の複数箇所の防犯カメラに、特徴的な傷などがある丸山被告の車が映っていたと指摘。弁護側は「防犯カメラに映った車はナンバープレートも分からず、警察による防犯カメラの時刻の算定方法も不正確だ」と主張した。

41席傍聴券に318人が行列

 初公判を見届けようと、用意された41席の一般傍聴券を求め、午前8時半頃から318人が列を作った。

 丸山被告と中学校の同級生だという岡谷市の女性(50)も並び「丸山被告が悪い人とは思えない。本当に犯人だったのか、真実を知りたい」と語った。

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