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国連軍への攻撃 世界を敵に回したイスラエル

読売新聞 / 2024年10月18日 5時0分

 中東で戦火を広げるイスラエルが、今度は国連の平和維持軍に攻撃を加えた。国際社会を敵に回す暴挙であり、断じて容認できない。

 イスラエル軍が、レバノン南部の平和維持を担う国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の陣地内に戦車で突入し、施設を砲撃するなどした。インドネシアやスリランカから参加する要員5人が負傷した。

 国連安全保障理事会の決議に基づき活動しているUNIFILへの攻撃は、明確な国際人道法違反である。要員を出すイタリアなど40か国が攻撃を非難する共同声明を出し、日本も岩屋外相が懸念を表明したのは当然だ。

 イスラエルは、レバノン南部を拠点とするイスラム教シーア派組織ヒズボラとの戦闘を続けており、UNIFILには事前に警告していたと主張する。だからといって、国連軍への攻撃は正当化できるものではない。

 イスラエルは国連への敵対意識を強めているようにみえる。国連のグテレス事務総長がイランによるイスラエルへの弾道ミサイル攻撃を非難しなかったと決めつけ、入国禁止にした。

 また、パレスチナ自治区ガザで活動する国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)についても解体を求めている。敵対するイスラム主義組織ハマスの影響下にあるとみているためだろう。

 ガザでのポリオ(小児まひ)ワクチンの接種会場に指定されていたUNRWAの学校を、接種が始まる前夜に空爆し、子どもを含む20人以上が死亡した。残虐極まりない行為である。

 イスラエルは第2次大戦後、国連決議を根拠に建国された。自らも加盟する国連に刃向かい、軍事行動の標的にするような愚行を続けていれば、国際社会から完全に孤立するだけだ。

 昨年10月のハマスの越境攻撃に端を発した中東の戦乱が、拡大の一途をたどっているのは、米国がイスラエルの暴走を事実上容認しているからにほかならない。

 米国内でも反イスラエルの世論が高まり、擁護を続ける民主党のバイデン政権は危機感を強めている。11月の大統領選にも影響すると指摘される。

 米国は、ガザでの人道状況を30日以内に改善するようイスラエルに求め、実現しなければ軍事支援を停止すると示唆した。防御用のミサイルを供与したが、攻撃用の兵器については支援停止を実行に移す時期に来たのではないか。

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