巨人の菅野が未体験の「日本一」…「最終戦までもつれたら、僕も投げる準備をする」
読売新聞 / 2024年10月18日 6時0分
プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)は17日、セ、パ両リーグのファイナルステージ(6試合制)の第2戦が行われた。セは、巨人がDeNAに1―2で競り負けて連敗し、アドバンテージの1勝を含めて通算1勝2敗となった。パは、ソフトバンクが日本ハムに7―2で連勝し、アドバンテージを含めて通算3勝と王手をかけた。第3戦の先発は巨人がグリフィン、DeNAが吉野、ソフトバンクがスチュワート、日本ハムが山崎と発表された。
DeNAは五回、森敬の適時打で均衡を破り、追いつかれた直後の七回、オースティンのソロで勝ち越した。大貫が七回途中1失点と好投し、継投でリードを守り切った。巨人は菅野が7回2失点と踏ん張ったが、岡本和の適時打による1得点とつながりを欠いた。
長く巨人のエースナンバーを背負い、今季4度目の最多勝に輝いた菅野にも、到達したことがない場所がある。日本一だ。「もう、それだけしか考えていない。CSをしっかりチームで勝ち上がる」。そこに立ちはだかったのは、リーグ首位打者のオースティンだった。
味方が追いついた直後の七回。先頭の4番オースティンに対し、2ボール1ストライクとなり、菅野は「(本塁打の可能性は)頭では分かっていたけど、四球と、てんびんにかけた」。真っ向勝負を選択して投じた速球は、内角に構えた小林のミットとは逆に外角高めへ。右翼席に豪快な勝ち越し弾をたたき込まれた。
一回は外角低めのスライダーで空振り三振に、四回は外角いっぱいの直球で見逃し三振に抑えた。レギュラーシーズンでも6打数1安打、4奪三振。だからこそ、オースティンは「なかなか打つことができなかったが、いい球がきたら1球で仕留める」と集中力を高めていた。CSファーストステージ2戦目から無安打の主砲を目覚めさせてしまったのなら、やっかいだ。
前夜も、戸郷が甘く浮いたフォークボールを佐野に右翼席へ運ばれ、決勝点となった。先発投手に無失点を求めることは酷な話だが、オースティンを筆頭に、牧、宮崎ら一発のある打者が並ぶDeNA打線には1球の失投が明暗を分けてしまう。第3戦以降、先に点をやるのは禁物だ。
「最終戦(第6戦)までもつれたら、僕も投げる準備をする。気持ちを切らさないようにやっていく」と菅野。今オフに海外フリーエージェント(FA)権を行使し、大リーグに挑戦する意向を持つ背番号18のためにも、日本一への道をつなぎたい。(井上雄太)
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