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西田敏行さん「愛してるぞい」「本当にいとおしい」…被災の古里・福島県に寄り添い続ける

読売新聞 / 2024年10月18日 8時45分

県民栄誉賞受賞の喜びを語る西田敏行さん(2018年9月、福島県郡山市で)

 福島県郡山市出身の俳優西田敏行さん(76)の突然の訃報ふほうに、県内でも悲しみが広がった。

 小中学校時代の同級生、不動産会社社長の村上賢一さん(76)(郡山市)は半世紀以上、親交を続けてきた。数日前には、西田さんが同級生同士のSNSに県内の地酒の写真を添えて「福島の酒はうまいね」と投稿していたという。「3か月に1回くらい帰ってくるほど郡山が好きだった。今着いたぞ、とまた連絡が来るのではないかと思ってしまう」と寂しさをこらえた。

 震災以降は、被災地となった古里に寄り添った。村上さんによると、西田さんは被災地をプライベートで何度も訪れた。親交があった郡山市の映画館「郡山テアトル」の運営会社社長、安達友さん(89)も「腰が痛いと言いながらも、被災地を訪れる姿に頭が下がる思いだった」。

 大熊町の義務教育学校「学び ゆめの森」の南郷市兵校長(45)は「震災の体験を子どもたちは学びに変える力がある」と語っていたことが印象的だったという。西田さんが展示のナレーションを担当した「東日本大震災・原子力災害伝承館」(双葉町)の高村昇館長は「力強さと優しさのある声で震災の実情を伝えてくれている」と感謝した。

 「福島のためだったら何でもやるよっていう方だった」。西田さんと一緒に被災地を応援してきた、郡山市出身のクリエイティブディレクター箭内道彦さん(60)は、そう思い返す。

 今年60周年を迎えた「郡山うねめまつり」のために手がけた曲「采女ドンドコ」には、西田さんが歌唱で参加した。西田さんが歌う「愛してるぞい」の歌詞は、故郷を「愛している」と言い切る西田さんに感銘を受けたものだ。

 箭内さんは「最後に会ったときはお元気で、気持ちの整理がついてない」としながら、「郡山市民、県民の心の支えだった。みんなが西田さんの存在を誇りにし、頼って、それを西田さんは笑顔で受け止めてくれていた」と語った。

 2018年に西田さんに県民栄誉賞を贈った内堀知事もコメントを発表。県が昨年度作った動画に出演した西田さんが福島を「本当にいとおしい」と語っていたとし、「人間味にあふれた懐の深い演技で多くの人々を魅了した西田さんは、まさに県民の誇り」と哀悼した。

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