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北朝鮮が1万人ウクライナ派兵準備、「実戦で現代戦を学ぶ貴重な機会」…日韓の安全保障に悪影響も

読売新聞 / 2024年10月18日 18時40分

ウクライナのゼレンスキー大統領

 【ブリュッセル=酒井圭吾、ソウル=中川孝之】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は17日、ブリュッセルで行われた北大西洋条約機構(NATO)国防相理事会後の記者会見で「北朝鮮が1万人の兵士を(ウクライナに派遣するため)準備しているとの情報を得ている」と明かした。

 北朝鮮はベトナム戦争や1973年の第4次中東戦争にパイロットなどを送ったことはあるが大規模派兵は初めて。弾道ミサイルによる攻撃など実戦経験を積めば、日本や韓国の安全保障にも悪影響が及びかねない。ロシアの不足していた兵力を北朝鮮が補充することにより、ウクライナ侵略が長期化する恐れもある。

 韓国の尹錫悦ユンソンニョル大統領は18日、大統領府で緊急会議を主宰した。「露朝の軍事的な密着が実質的な派兵に至った」とし、「国際社会と共にあらゆる手段を動員し、対応する」ことを確認した。韓国の情報機関・国家情報院は18日、北朝鮮が特殊部隊を含む4旅団約1万2000人の派兵を決定し、兵力の移動に着手したと本紙に明らかにした。

 国情院の発表によるとロシア海軍の輸送船が8~13日、北朝鮮の特殊部隊員約1500人を北朝鮮北東部・清津チョンジンなどからウラジオストクに移送したことを衛星写真などから確認した。

 複数のウクライナメディアは、現在、露極東ブリヤート共和国ウランウデ付近の軍事基地で約3000人の北朝鮮兵の部隊が訓練を受けていると報じている。

 露朝関係に詳しい関係筋によると、派兵はプーチン露大統領が昨年9月、金正恩キムジョンウン朝鮮労働党総書記との会談で要請した。両首脳は6月、有事の相互軍事支援を規定した「包括的戦略パートナーシップ条約」に署名している。

 英国防省の分析によると露軍の9月の死傷者数は1日平均1271人で過去最多を記録した。プーチン氏は国民の反発を恐れ、追加動員には慎重だ。

峨山 アサン 政策研究院(ソウル)の梁旭ヤンウク研究委員は、北朝鮮が弾道ミサイルと運用部隊を送ることで「武器体系の性能を検証し、実戦のノウハウを学べる」と分析した。「無人機などを駆使する現代戦も学ぶだろう。極めて貴重な実戦経験となる」と話した。

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