金融庁に出向中の裁判官がインサイダー取引か、TOB審査を担当し情報入手…証券監視委が強制捜査
読売新聞 / 2024年10月19日 5時0分
金融庁に出向中の裁判官が、職務を通じて知った株式公開買い付け(TOB)などの企業情報を基に株取引を行った疑いがあるとして、証券取引等監視委員会から金融商品取引法違反(インサイダー取引)容疑で強制調査を受けていたことがわかった。監視委は、東京地検特捜部への告発も視野に調査を進めている。
関係者によると、調査を受けたのは、裁判所から金融庁に出向中の30歳代の男性裁判官。同庁で、TOBを予定する企業から提出される書類の審査などを行う業務を担当している。裁判官は今年、職務で知ったTOB情報などを基に、対象企業の株式を本人名義で買い付けたり、売却したりしていた疑いが持たれている。
この裁判官による不審な取引を把握した監視委は今秋、関係先の強制調査を実施し、取引状況などの分析を進めている。同庁では全職員に対し、職務上関係する企業の株取引を原則禁じている。
最高裁は、主に任官10年未満の若手裁判官を対象として、多様な経験を積ませるため、行政機関への出向を行っている。出向先は金融庁のほか、総務省や外務省、厚生労働省などがあり、行政事務を2年程度経験した後に裁判所に戻り、再び裁判を行う。この裁判官も、この枠組みで金融庁に出向していた。
金商法は、上場企業のTOBや合併・買収などの重要事実を業務で知った企業関係者らが、公表前に株取引することを禁止。TOBなどを行う企業に対して法令に基づく権限を持つ公務員が、職務上知った未公表の事実を基に取引する行為も規制対象になる。違反すれば、行政罰として課徴金があるほか、懲役5年以下または罰金500万円以下の刑事罰もある。
公務員がインサイダー取引に問われたケースとしては、経済産業省審議官(当時)が、合併や増資の情報を公表前に把握した企業の株を取引したとして2012年に逮捕・起訴されたほか、同省職員(同)が産業再生法の適用を相談したメーカーの株を取引したとして05年に在宅起訴された(いずれも有罪確定)事例がある。
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