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闇バイト強盗 治安を揺るがす重大な脅威だ

読売新聞 / 2024年10月19日 5時0分

 日本の治安をおびやかす重大な事態である。警察は、犯行グループの実態解明と摘発に全力を挙げねばならない。

 郊外の住宅などに男たちが押し入り、住人の高齢者らに暴力を振るって現金を奪う強盗事件が続発している。8月以降、東京、埼玉、千葉、神奈川を中心として約20件に上っている。

 横浜市では、手足を縛られ、全身を殴られた高齢の男性が死亡する事件が起きている。千葉県市川市では、高齢の女性宅が襲われ、同居する50歳の娘が連れ去られて埼玉県内で監禁された。

 高齢者宅に狙いを定め、平穏な日常を一瞬にして破壊する極めて悪質な犯行だ。市民は大きな不安にさらされている。

 闇バイト強盗は近年、全国で相次ぎ、海外にいた「ルフィ」と名乗る指示役の男らが逮捕された。それでも同種の事件がこの2か月で多発している。警察は威信をかけて捜査に取り組んでほしい。

 実行役は、SNSの「闇バイト」で集められ、通信アプリを通じて犯行の指示を受けていた。一方の指示役は、「小山」「夏目漱石」など、複数の事件で同一のアカウントを使っていた。

 警察は、SNSでつながって離合集散を繰り返す「匿名・流動型犯罪グループ」(トクリュウ)による連続強盗事件の疑いが強いとみて、関係する都県警による合同捜査本部を設置した。

 今月に入り、北海道でも類似の強盗事件が発生している。事件がさらに広域化する恐れがあり、厳重な警戒が欠かせない。

 一連の事件では、住宅の窓ガラスを割って室内に押し入るという乱暴な手口が共通している。金を奪うためには手段を選ばないという凶悪性が顕著だ。

 闇バイトで集められた実行役は、指示役から「逃げたら殺す」と脅されていた。その恐怖心から、犯行が今後さらにエスカレートする可能性は否定できない。

 現場周辺では、リフォーム業者や水道業者を名乗る人物が、事前に各戸を訪問していたケースがある。警察は、家族構成や資産状況を調べて襲撃する家を物色していたとみて、捜査している。

 怪しい人物の訪問や電話には対応しないことが重要だ。不審な出来事があったら、迷わず警察に通報してもらいたい。

 それぞれの家で防犯対策の強化にも努めたい。窓ガラスに防犯フィルムを貼って割られにくくしたり、玄関や窓の鍵を複数にしたりする対応を検討してほしい。

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