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「おまけ程度だった」SNS動画配信、各陣営が本気モード「転換点は東京都知事選」

読売新聞 / 2024年10月19日 10時20分

街頭で活動する候補者(左)と、動画撮影する陣営スタッフ(18日、東京都内で)

 27日の投開票に向け、熱を帯びる衆院選。東京都内の選挙区では、SNSを活用した動画配信を本格的に始めた陣営が目立つ。関係者が口をそろえるのが、7月に行われた知事選の影響だ。

その場でSNSに投稿

 「10月18日夕刻の街頭演説。午後8時までいますので、よろしければ立ち寄ってください」。18日夕、区部の立憲民主党の新人候補は駅前に立ち、陣営スタッフが構えるカメラにそう話しかけてから演説を始めた。

 動画はその場でX(旧ツイッター)など、候補の公式SNSにすぐアップされた。SNSには、ほかの街頭演説や地域の行事訪問など、様々な動画が毎日投稿されている。

 この候補が動画に力を入れ始めたのは、知事選で動画を多用した広島県安芸高田市前市長の石丸伸二氏(42)が躍進したのがきっかけだった。これまでSNSの動画は「おまけ程度」と考えていたが、コロナ禍以降、有権者と触れあう機会が減っていたことも背中を押した。

 動画をアップする公式SNSを次々と開設し、選挙ポスターでもSNSをアピールする。動画の編集などは、ネットに明るい妻に担ってもらい、30秒ほどの自己紹介動画は16万回も再生された。街頭で「ユーチューブの人だ」と声をかけられることもあるという。候補は「知事選はネット選挙の転換点だった」と振り返り、「動画を発信して多くの有権者に主張を届けたい」と力を込めた。

フォロワー持つ同僚議員が協力、1日1万回再生

 多摩地域の自民党の男性前議員も知事選に触発され、「ネットを活用しないとこれからの選挙戦は勝てない」と路線変更を決めた。

 以前からユーチューブの公式アカウントは設けていたものの、投稿は数か月に1本。各動画の再生回数も2、300回程度だったが、公示前の9月からは週2、3本とペースを上げた。学生インターンが候補へインタビューする動画など、内容も工夫している。

 公示直後に行った街頭演説の動画は、フォロワーの多い同僚議員が応援弁士を務めてくれたおかげで拡散され、1日で1万回も再生された。陣営幹部は「影響力のある人に協力してもらうなど、戦略によって再生回数を大きく伸ばすことができる」と手応えを感じている。

従来手法も手抜かず、自筆メッセージ投稿

 ただ、SNSに力を入れるようになった陣営でも、従来型の選挙運動は手を抜けないようだ。

 区部の立民の男性前議員は今月初めから、自身のXに手描きイラストを添えた自筆メッセージを毎日投稿している。「親しみを持ってもらい、有権者の政治へのハードルを下げる」と狙いを語るが、「SNSによる発信は万能ではない」と言い切る。

 衆院選の候補は全国で1300人を超え、選挙区の区分けがないネットの世界では発信が埋もれがちになるという。この前議員は「直接有権者に政策を伝え、理解してもらうことが大切だ」と述べ、街頭での演説などにも注力する。別の候補の秘書も「リアルな活動でしか会えない人もいる。SNSと対面でそれぞれ補い合って選挙を戦っていきたい」と語った。

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